" ギブソン レスポールスペシャル、ダブルカッタウェイの音とは?

レスポールスペシャル

レスポールスペシャル・ダブルカッタウェイ

どうも、指1ギター管理人です。

この記事ではギブソン社のスチューデントモデル(廉価版)である、レスポール・スペシャルについて深堀りしてまとめてみました。

レスポールスペシャルと言えば、原型ともなったモデルであるレスポール・ジュニアとのスペックや音の違いについても解説します。

レスポールファミリーの中では特にシンプルで飾りっ気の無い無骨なルックスで数多くのアーティスト(ギタリスト)からも人気の高い、レスポールスペシャルの魅力について深く見ていきましょう。

この記事を見ると分かることは以下の目次を参考にどうぞ!



ギブソン レスポールスペシャル、音の特徴はP-90?

レスポールといえば、レスポールスタンダードを思い浮かべる人も多いと思いますが、レスポールスペシャルとの違いからレスポールスペシャルの特徴について見ていきましょう。

 

レスポール・スタンダードレスポール・スペシャル
ネック材マホガニーマホガニー
指板ローズウッドローズウッド
ポジションマークディッシュインレイドット
ボディ材メイプルトップ
マホガニーバック
マホガニー
トップ処理アーチトップフラットトップ
装飾バインディングありバインディングは指板のみ
ジョイントセットネックセットネック
ブリッジチューンオーマティックストップバーテイルピース
(スタッドブリッジ)
ピックアップハムバッカー x 2P-90 x 2
コントロール2ボリューム・2トーン
3ウェイトグルスイッチ
2ボリューム・2トーン
3ウェイトグルスイッチ

 

元々、レスポール・スタンダオードのスチューデントモデルとして売り出されたレスポール・スペシャルは、バインディングやトップ材のメイプルなど装飾的な部分を削ぎ落とした仕様となっています。

レスポール・スペシャルが開発された当時はスチューデントモデルとして低価格で販売するために、

 

  • ネックとボディバインディングの排除
  • トップ材なし
  • トップのアーチ加工も排除

 

職人技のメイプル材とマホガニー材の貼り合わせをなくし、バインディングやアーチトップ加工の装飾的な部分をなくすなどの、コストダウンの為の工夫を企業努力で成し遂げています。

レスポール・スタンダードとレスポール・スペシャルの音に影響を与えるであろう部分の、最も大きな違いは以下です。

 

  • トップ材(メイプル)の有無
  • ブリッジ
  • ピックアップ

 

トップのメイプル材がなくなったことで、コストダウンにも成功しましたが、最も厚みのある部分で55ミリ以上のレスポールスタンダードと比較すると、レスポール・スペシャルの厚みは1-3/4インチ(44.45mm)となっています。

実は、このマホガニー材はレスポール・スタンダードやカスタムなど、トップ材を張り合わせる前のバック材のマホガニーをボディとして使っているんですよ。

材がマホガニーのみになったことや、厚みが変わったことによる音への影響は多いにあるでしょうね。

また、現代ではレスポールのブリッジといえば、1955年あたりから搭載されているチューンオーマティックブリッジですが、レスポール・スペシャルにはストップバーテイルピースが採用されています。

ストップバーテイルピースのシンプルな作りと、力強い鳴りとサスティーンは一部のファンには人気が高いですね。

レスポールスペシャルの最も大きな特徴は、ギブソン流シングルコイルピックアップのP-90が搭載されていることだと管理人は考えています。

ギブソンのハムバッカーとも、フェンダーのシングルコイルとも一味違った粘りのある中域とパワフルでガッツのあるサウンドはP-90ピックアップは一度体験してみると良いですよ。

 

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ギブソン レスポールスペシャル、ヴィンテージの違いと歴史!

1954年のレスポールジュニアの誕生に続き1955年には、P-90が2つ搭載されたモデルである「レスポール・スペシャル」が発表されます。

この辺りの流れもフェンダー社のエスクワイアの発表後に、2ピックアップ仕様のテレキャスターが発表されたのと良く似ていますね。

レスポールスペシャルとジュニアに木工的な部分で、スペックの違いは無いのですが、以下の違いがありますよ。

 

  • 白蝶貝のドットインレイ
  • トラスロッドカバーをオシャレな白黒の2プライ製
  • ピックガードはセルロイド4プライ製
  • フィンガーボードにバインディング

 

レスポール・ジュニアと比較するとギブソンらしいゴージャスな雰囲気が、ほんの少しですが加味されています。

塗装に関してもジュニアが、伝統的なサンバーストフィニッシュが標準採用されたのに対し、鮮やかでキュートなイエローカラーのライムド・マホガニーフィニッシュが標準採用されました。

さすがにこれらの装飾がサウンドに与える影響は、ほとんど無いと思われます。

ただし、フロントピックアップを搭載したことで、コントロール部には3Wayトグルスイッチがと2ボリューム、2トーンへと増設される事によって、サウンドバリエーションの広がりました。

また、ピックアップカバーは端が3角っぽいドッグイヤータイプでは無く、四角いソープバータイプへと変更されます。

歪ませてもキレの良さを残るリア単体の無骨でストレートなサウンドが魅力のジュニアでしたが、フロントピックアップの増設によって、ファンキーでシャープなサウンドのミドルポジションやギブソン特有の暖かいサウンドを併せ持つフロントは、やろうと思えばジャズ系のアプローチの音作りまで可能で、とても幅広い音作りが可能となりました。

 

ジュニアはどちらかと言えば、ロックプレイヤーに好まれましたが、スペシャルはギターを弾きながら歌うシンガーソングライターや

ジャズ・フュージョン系のギタリストからも愛用された事を考えるとシンプルな構造ながら、実はかなり懐の深いギターだと実感させられますね!

 

ジュニアの方がストレートな音がすると言う意見が散見されますが、これは恐らくフロントピックアップのザグリ分で失った木部または、トグルスイッチとコントロール系増設による配線の引き回しによるものと考えられますが、レスポールとストラト位に構造の違いがある訳でも無いので演奏者にしか分からない微々たる差である場合がほとんどだと思います。

 

"Pick of the Day" – 1955 Les Paul Special TV Yellow

↑は1955年製のレスポールスペシャルのPR動画です。リア一発の仕様とはうってかわりギブソンのコンボタイプのアンプを使っていますが、攻撃的なサウンドのリアは健在ながらも、マイルドなサウンドまで幅広い音作りが可能な事が分かります。センターポジションでのウーマントーンも絶品ですね!

レスポールスペシャル dc(ダブルカッタウェイ)の音と特徴!

前述の通り、1955年にギブソン社から発売されたレスポールスペシャルですが、1957年の途中からリアピックアップの位置が、ほんの数ミリですが、ネック側に寄せられている個体が見られます。

次の年である、1958年の中盤からレスポールスペシャルは、シングルカッタウェイからより演奏性の高いダブルカッタウェイへと変更されます。

これもフェンダー社よりテレキャスターの上位モデルとして、発表されたストラトキャスターに影響を受けたとも言われていますが、恐らく機材の進歩によりリード・ギターでハイポジションを使う事が増えたプレイヤーサイドからの時代背景による要望に各メーカーが応えたと考える方が自然かも知れません。

ストラトキャスターと比較するとネック部分が完全にボディーから離れていることから、更にハイポジションでの快適な演奏性が確保されたと考えられますが、

大胆なカッタウェイの構造によるネックのジョイント部の強度に、不安が残らない為にディープジョイントよりも深めで接地面積を稼ぐ工夫が施されているそうです。

一般的に個体差を無視した場合には、同じ構造のギターであればシングルカッタウェイの方がネックからの鳴りをボディーにしっかりと伝えると考えられ、特に中低音が豊かな傾向にあると考えられています。

一方、ダブルカッタウェイは抜けの良いサウンド傾向になると考えられています

ピックアップの位置がネック側に移動すれば、低音が豊かなあたたかい音になる傾向にあるので、もしかしたら、1958年以降のダブルカッタウェイに移行してもピックアップの位置を変えなかったのは、この辺りの木工の変化によるサウンドの違いからバランスを取ったのか?と想像するのは邪推かも知れませんね。。。

とは言え、ダブルカッタウェイだからと言って極端にトレブリーで使えない音だと言う評価も、あまり聞きません。

また、無くなった分の木の重量が減る事から、より軽量になり取り回しは良くなりますが、ギターを構えた時のバランスも微妙に変わってしまうので、ある意味で演奏性は大きく変わったと感じるプレイヤーも居る様です。

他にはフロントピックアップ搭載のスペシャルに関して、1959年の終盤辺りからフロントピックアップの位置が若干、リア側へと移動しネックとフロントピックアップの間がピックガードに囲まれる仕様へと変更します。

ダブルカッタウェイのレスポールスペシャルは、このまま1961年まで製造されますが、他のレスポールファミリーと同様の様に年代が進む毎にネックのシェイプはスリムな形状へとなっていきます。

1961年以降はSGシェイプのSGスペシャルに引き継がれ1963年の生産中止まで製造された事になります。

 

Norman's Rare Guitars – Guitar of the Day: 1960 Gibson Les Paul Special

↑は1960年製のレスポールスペシャル・ダブルカッタウェイです。やはり、フロントピックアップが足されるだけで多彩な印象になりますね!特にクリーンを多用したいならレスポールスペシャルの方が向いている気がしますね!

レスポールスペシャルTV、CM映えするイエローカラーの作り方?

TVモデルとは、クリーム色がかった黄色のカラーリングで塗装されたレスポール・ジュニアの色違いのモデルを指します。

TVカラーまたはTVイエローと呼ばれる事が多いのですが、何がTVなのか名称の由来を言いますと、今でこそテレビではハイヴィジョンとか4Kといったフルカラーで質の高い映像を見ることが可能なのですが、当時の通信環境では白黒(モノクロ)放送がスタンダードでした。

現代からは想像出来ない事ですが、この環境だと純粋な白だと映像に不具合が起こる事が多く、TV放送された時にキレイなホワイトカラーに見え為に開発されたのが、やや黄色味がかった、このTVイエローだと言われています。

実はこの、新色なのですがレギュラーラインのブラックサンバーストと違って若干、手間のかかる塗装なんです。

なぜならスペシャルに採用されている木材である、マホガニーは基本的に赤みが強い茶色です。

TVモデルは、このマホガニー色の持ち味を活かせないからと言って、黄色で塗りつぶした訳では無く木目が薄っすらながら透けた形でのイエローカラーとなっています。

これには下地にホワイトシーラーと呼ばれる白っぽい塗装を施した上に目止めする事でアッシュ材の様に白っぽい木材のシースルー塗装に見える様に処理しています。

この下処理の上にイエローとクリアを吹くことで、あの鮮やかなTVイエローが完成する訳です。

なぜここまで手の混んだ塗装をするかと言えば前述のTV映えはもちろんですが恐らく、ライバル企業であるフェンダー社のバタースコッチブロンド塗装が施されたテレキャスターが市場で受け入れられていて、その売れ行きの良さに目をつけ、そこに便乗または対抗したのでは?とも考えられます。

シンプルな構造と言いカラーリングと言いフェンダーのテレキャスターと本当に類似する点が多いギターと言えるでしょう。

レスポールスペシャルに関してはTVイエローが標準カラーとなりオプションとしてチェリーレッドを選択する事も可能になっていました。

また、TVイエローカラーはライムド・マホガニーとも呼ばれていますが、これはライム=石灰を意味し目止めに石灰を使ったのでは?という説もあるそうです。

更に上からイエローカラーとクリアを重ねる事で作られたTVモデルのカラはTVイエロー又はライムド・マホガニーと呼ばれています。



レスポールスペシャル・ブリッジの弱点と改造法!

オクターブピッチが合わない!

レスポールスペシャルの弱点と言われているのは、ブリッジの構造によるオクターブピッチの調整の甘さだと言われています。

そもそも、レスポールモデルは1から6弦の何れかまたは複数がずれて聞こえるなどの不満があったプレイヤーの解決策としてチューン・オー・マティックブリッジが導入されました。

レスポールスペシャルの場合は低コスト品だった為に、そのままストップバーテイルピースが採用され続けたという経緯がありますが、プロギタリストにも人気が高かった為にステージでもレコーディングでも使える仕様として、バダスのブリッジが使われる事が多かったんです。

チューンオーマティックの様に大掛かりな木工工事もなく取り付けられる事が多く、人気の改造方法です。

古くはローリング・ストーンズのキース・リチャーズ氏のジュニアや最近のアーティストであればバンプ・オブ・チキンの藤原基央氏のスペシャルもバダスブリッジに交換されています。

また、近年であれば、バダスに限らず同じ様な形状で他社メーカーも創意工夫を凝らしたブリッジが発売されているので、自分のギターにマッチするパーツをゲットすると良いでしょう!

弦高調整に関してはテイルピースの高さの調整は可能ですがストラトキャスター等の様に各弦の個別調整は出来ないのです。

現在では幾つかのメーカーからバダスブリッジが発売されています。国産のギターの場合は特に自分のギターにサイズが合うか確認しましょう!

 

激安のバダスブリッジはココ!

ノイズやハウリングが酷い!

Gibson P100 Vs TV Jones T90 Pickups

レスポールスペシャルに搭載されている「P-90」ピックアップは基本的にシングルコイルなので、深く歪ませるとノイズやハウリングが酷くなる事もあります。

例えばP-90でヘビーメタルサウンドと言うのは出来ない事は無いかも知れないですが、簡単な音作りでは無いでしょう!

恐らくですが、時代と共にハードな音楽を好むプレイヤーの声を受けギブソン社からは「P-100」と言うピックアップを搭載したモデルを販売している時期がありました。

P-100はシングルコイルを縦に2つ積んだスタックタイプのピックアップなのでハムノイズ対策には大きな威力を発揮しましたが、元々のP-90サウンドとはかけ離れてしまい、それほど人気が高くは無かった様です。

管理人もP-100搭載のエレキギターを弾いた事がありますが、フルサイズハムほど太いわけでは無いのですが、P-90特有のバイト感は薄く感じた記憶があります。

P-90のサウンドがお気に入りのプレイヤーには、あまり魅力が感じないのでは?と言う印象を持ちました。

また、現代であれば、P-90サイズでハムバッカーに近いサウンドを狙ったモデルも幾つかリプレイスメントピックアップメーカーから販売されているので、そちらがオススメだと思います。

ギブソン・レスポールスペシャル、2019おすすめモデルはコレ!

ギブソンUSA レスポール・スペシャル・TVイエロー

Gibson Les Paul Special "TV Yellow" (2019)

ギブソンUSAのレビュラーラインである、オリジナルコレクションシリーズの
レスポールスペシャルの特徴は以下の通りです。

 

  • 50年代ファットグリップネック
  • ミディアムジャンボフレット
  • グラフテック・ナット
  • ニッケルメッキ
  • ギブソン製P-90を2機搭載
  • 黒の5プライ・ピックガード
  • ニトロセルロースラッカー
  • オレンジドロップコンデンサ
  • ハンドワイアード配線

 

材や組み込みなどは、ビンテージの50年代の
レスポールスペシャルを踏襲しつつも、細かな部分で現代的な要素が入っています。
現行品として、手に入るレスポールスペシャルでは
オリジナルに近い仕様なら間違いなしのエレキギターと言えるでしょう!

Gibson USA / Les Paul Special Tribute P90 / Humbucker

Gibson Les Paul Special Tribute P-90 – Natural Walnut Satin

レスポールスペシャル・トリビュートはギブソン社のモダンコレクションから
販売されていますが、現行品の2019レスポールスペシャルとの違いは
以下の通りです。

 

  • メイプルネック
  • サテン・フィニッシュ
  • クロームメッキのハードウェア
  • 豊富なカラーバリエーション

 

レスポールスペシャル・トリビュートはニトロセルロースラッカー塗装ながら
サテンフィニッシュとメイプルネックの採用によって大幅なコストカットに成功したモデルです。

新品の価格的にレスポールスペシャルが15万円以上なのに対して、
レスポールスペシャル・トリビュートは10万円を切るお値段となっています。

価格も大きな魅力の一つですが、白(ウォーン・ホワイト)、
赤(ヴィンテージ・チェリー)、黒(エボニー)、茶色(ナチュラル・ウォルナット)と選択肢が広いのも良い点ですね!

また、ピックアップにギブソン社のハムバッカー、
490Rと490Tが搭載されている「Les Paul Special Tribute – Humbucker」の
バリエーションモデルも販売されています。

Gibson Les Paul Junior Special Humbucker – Обзор

P-90と比較すると更にパワフルで分厚いミドルレンジが魅力ですね。

レスポールスペシャル まとめ

如何でしたでしょうか?

足早ながらギブソンのスチューデントモデル、レスポールスペシャルの歴史を辿ってみました。

管理人は、レスポール・スペシャルを所有した事は無いのですが幾度となく触る機会のあったギターですし、お仕事で使ったことはあるギターですね。

レスポールスペシャルの最も個性的で使い勝手が良いと感じる所は、センターポジションでのクリーン~クランチを使ったカッティングやアルペジオなどバッキングサウンドだと思います。

もちろん、リードプレイでも様々な表情を見せてくれるギターなので、ギターボーカルに関わらずメインギターとして使えるポテンシャルは持っているギターだと思います。

このギターが好きになれるかどうかは、P-90の個性的なサウンドと飾りっ気の無いマホガニーの鳴りが気にいるかどうかでしょうね!

管理人にとっては、メインギターとしては若干、物足りなさを感じるギターではあるのですが、ココはレスポール・スペシャルがマッチするかも!って思えるポイントが確かにある、たまに手に取りたくなるギターだと感じています。

この記事が、あなたのギター選びの助けになれば幸いです!

 

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