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PRS Private Stockとドラゴンの特徴とオーダー方法!

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PRSプライベートストック

Photo by PRS

どうも指1ギター、管理人です。

自他共に認めるPRSギターの大ファンである、管理人が
死ぬまでに持ちたいギターこそPRS「プライベートストック」です。

最近ではSEシリーズや割りとリーズナブルなモデルも販売され
注目を集めておりますが、USA製のPRSは、まだまだ高嶺の花だと感じる人も
多いと思いますね。

プライベートストックは通常ラインの、その上を行くPRSの最上位モデルです。

今回は管理人にとっても夢のギターでもある「プライベートストック」の魅力や音の特徴
オーダー方法やPRSの歴史についてを、まとめてみました。



プライベートストックとは?

プライベートストックは元々、
PRSギター創始者であるポール・リード・スミス氏の
為のプロジェクトだったと言われています。

実は「Guitar Of The Month」と言う名称ではじまった企画で
ポール氏のギタービルダーとしての
新しいアイデアや発想を形にするのが目的で立ち上げられました。

1995年にはすでに「プライベートストック」の名称になっていましたが、
PRSが持つ最高級の木材を贅沢に使い自分だけの為の一本を作るという
理念の元に今でも続くPRSの最高峰カスタムモデル
なんです。

もちろん材が素晴らしいだけでは無く
最高のギタービルダーがサウンドや演奏性にも徹底的に拘りぬき
いずれは最高級のヴィンテージギターになる事まで想定して制作されるギターなんです。

多くのギターメーカーが通常の製造ラインとは違った
特別製をカスタムショップと名付ける事が多く、
プライベートストックは、それと同等の位置づけなのですが、

そもそも、通常のラインナップでも
クオリティーが高く他社メーカーのカスタムショップ並みに
優秀なギターを作るPRSの上位モデルと言えば、
どれほど凄いギターなのかは想像出来ると思います。

過去のプライベートストックの最高責任者の
ジョー・ナッグス氏はプライベートストックについて

「ヴィンテージの見た目と雰囲気を持つヴァイオリンの様なギター」

と表現しています。

簡単に言えばPRS社の持てる全ての技術力を自分だけの為に投入して
正に世界一本しか無いモデルを作る事が出来るのが
プライベートストックなんです!



プライベートストックの特徴

ここからはPRSギターの「プライベートストックモデル」の証明とも言える、
通常ラインのモデルとのスペック的な違いと特徴を紹介します。

ヘッドに入ったイーグルインレイ

PRSイーグルインレイ

Photo by PRS

PRSの最初期に制作された幾つかのギターにも入っている
イーグルインレイは現行品ではプライベートストックのみに
採用されています。

例外として、プリファクトリー期を思い起こさせるモデルでもある
サンタナとサンタナⅡ、サンタナレトロにはイーグルインレイが
採用されています。

ただ、殆どのプライベートストックギターに入っているイーグルインレイですが、
ごく少数のモデルには入っていません。

この場合は、ヘッドの裏側にポール氏直筆のサインはどのモデルにも必ず書き込まれています
ので、そこで見極めることが可能です。

通常のモデルにはシリアル番号のみです。

最高級の木材を使用

PRSギターはレギュラーラインでも非常に見た目の美しく高級な木材が使われています。
ですが、プライベートストックで使われる材の質は通常モデルとは
一線を画す程に素晴らしいモノだけを厳選
されて使われています。

今となっては木材も有限の資源と言うことで
ギターメーカーはこぞって良材を手に入れようと奔走していますが、
PRSには大手メーカと比較しても素晴らしい材を大量に持っている様に感じます。

今となっては入手困難な希少材である
ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)を
贅沢にもネックと指板に採用したモデルや普段あまり見ることも
無いような木材が使われている事も多々あるのが
プライベートストックです。

どうしてこんな、希少な材をPRS社が保有しているのかと言うと、
木材ディーラーとPRSスタッフの長年に渡る信頼関係が
個人的に構築されている事によって、
良質の木材を優先的に仕入れる事が可能になっていると
言われています。

単純な事ですが、やっぱりどこの世界も人間関係が大切なのですね。
もちろん、PRSが素晴らしいギターを作っているからこその業者の好意でしょうが。

ちなみにプライベートストックに採用される木材は通常ラインと、
しっかり線引きされており、
「the vault」と言う専用の木材管理室が用意されています。

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↑the vault内の動画です。

このプライベートストック用の材を採用した
レギュラーラインのギターには「ウッドライブラリー」という
ラインも用意されています。

他にも楽器店やネットの通販ショップを見ていると
材やピックアップのチョイスも普通のラインナップでは
あり得ない選択がされている事があることからかなり自由度が高いのでしょう。

ネックやボディー、ヘッドへの装飾も様々なモノを見ることが出来る様に
PRSの技術力でユーザーの求める音とルックスを徹底的に再現してくれる。
それがプライベートストックです。

PRSインレイワークプライベートストック

Photo by PRS

また、木材以外ではレギュラーラインでは、
ありえないインレイなども高級な装飾品を使った贅の限りを尽くした
モデルも良く見られます。

サウンドには関係の無い部分かも知れませんが、
まさに芸術品とも言えるインレイワークは圧倒的な技術力あっての事でしょう!

PRSプライベートストックアート

Photo by PRS

 

↑はプライベートストックが完成するまでのメイキングビデオです。
手作業がかなり多く手間暇かかっているのが良くわかりますね!



プライベートストックの音

↑カスタム22をベースに強烈なキルトメイプルトップの
プライベートストックでなんと価格は150万円だそうです!

↑ジョン・メイヤー氏のシグネイチャーモデルPrivate Stock Super Eagle IIです。
ホロウボディー構造で更にメイヤー氏の拘りが詰め込まれたスーパーギターです。

↑市場ではあまり見かけないプライベートストックのスタンダード24の7弦ギターです。
過去になにかの雑誌で山嵐のギタリストもプライベートストックで
7弦ギターをオーダーしたとの記事がありましたが、
7弦の需要も上がっているかも知れないですね!

↑なんとPRSの8弦ギターです。ベースはカスタム24で
セイモアダンカンのピックアップが搭載されている様ですが、
ゴツくなりがちな8弦ギターですが、ルックス的にも
上手くまとまっている印象ですね!

↑プライベートストックで再現された幻のギタードラゴンです。
コリーナ材特有のカラっとしたサウンドが素晴らしいですね!

PRS プライベートストックのオーダー方法!

どうですか?話を聞くだけでも欲しくなっちゃいますよね?
たまに楽器店で見かけるプライベートストックモデルですが、
実は、あれはショップがオーダーをかけたプライベートストックです。

PRSは個人への販売を今の所、行っていないので、
自分だけのプライベートストックを作ってみたい場合には、
PRSディーラーと相談するのが一般的です。

価格としてはフェンダーやギブソンの
リアルヴィンテージ並の値段になることもありそうですが、
それでもオーダーをかければ1年以上待たされるのは
ザラだと言われている事から

木材の枯渇が叫ばれる現代では、
今のうちに手に入れておきたいマニアからの
バックオーダーが続いているのでしょう!

PRSギターの歴史

今となっては「第三のブランド」として
ギター業界でもしっかりと定着した
PRSが、ここまでの知名度とユーザーの信頼を
得るまでの歴史と歩みについてまとめてみようと思います。

これまで様々なギターメーカーが誕生してきましたが、
長年フェンダー・ギブソンの2強に次ぐ代表的なブランドが
実質的には存在していない期間が長く有りました。

ギターメーカーや個人工房のブランドにしろ、
創業者の名前を冠したものが比較的に多くありますね。

世界の2大ブランドである、フェンダー社であれば
創業者のレオ・フェンダー氏、

ギブソンならオーヴィル・ヘンリー・ギブソン氏、
更にレスポールにも開発者でありギター演奏者の
芸名である「レスポール」の名前がそのままモデル名となっています。
ちなみに本名は「レスター・ウィリアム・ポルスファス」というそうです。

創業者の強烈な個性が反映され
世に送り出されたPRSギターの創業者である、
ポール・リード・スミス氏とは一体どの様な人物だったのか?
早速、見ていきましょう!

PRS創業者のキャリアとは?

PRSギター創業者の「ポール・リード・スミス」氏は
1956年生まれのメリーランド出身の米国人です。

元々ギターをプレイすることに興味があったポール氏ですが、
それ以上にモノ作りにも大きく惹かれていたことから

10代のうちからワシントンミュージックセンターにて
楽器のリペアの仕事ををやりはじめ経験を積みます。

そして何と10代の終わり頃であたる
1975年にはアナポリスにて
自らのギターリペアショップを開店させてしまいます。

さすが起業精神溢れる米国人という感じで、こ
の実行力は我々、日本人も見習いたいものですね!

1985年、屋根裏の工房でオリジナルギターを製作する若かりし頃のポール氏の動画です。

PRSギターの原型とは?

ポール氏がギター工房を設立し、
まず制作していたギターは
「ギブソン・レスポールジュニア」のコピーモデル
だったようですが、

その後、プレイアビリティの高い
ダブルカッタウェイのタイプのレスポールジュニアを
製作しはじめますが、

ジョイント部の強化やハンドメイド作業による
アーチトップ加工など幾つかの改良も加えられています。

PRSのカスタムシリーズのボディシェイプは
良くストラトから来ていると言う意見もあるそうですが、
このことからもスタートはレスポールジュニアの
ダブルカッタウェイモデルが源流にあると言えるでしょう!

特にサンタナモデルに関しては、
現在でもレスポール・ジュニアを彷彿とさせる形状ですしね。

また、PRSギターのルックス的な大きな個性の「バードインレイ」に関しても、
この頃から採用されています。

実はこれに関してはポール氏の母親の趣味である
バードウォッチングの書籍からヒントを得て作成したと
言われています。

実用性のみならず美的センスの高さを感じる
現代のPRSにも通じる芸術性は、
この頃から発揮されている様ですね。

この後に様々な試行錯誤を経て、虎杢の
メイプルをトップに貼った完全ハンドメイドによる
オリジナルギターが完成したのが1970年代後半だと言われています。

PRSギターの躍進

Carlos_Santana_2005

出典元:wikimedia

70年代後半から80年代にかけては、
製造業の大量生産化が活発になりギター業界の
その流れに乗り、

初心者の手にも安価な価格でギターが届けられるようになった反面、
高品質なギターを求めるプロギタリストが
大手メーカーに不満を抱える時代でもあった様です。

このことからPRSの高品質な
ハンドメイドギターは最初はプロギタリストの間に
話題になりはじめます。

また創業当時の顧客には、

 

  • ニール・ショーン
  • ハワード・リース(ハート)
  • ロイ・ブキャナン
  • デレック・セントホームズ(テッド・ニュージェント)
  • アル・ディ・メオラ
  • ピーター・フランプトン
  • ジョン・トムストン(ドゥービー・ブラザーズ)

 

と言った大物ミュージシャンがズラリと並びます。
大物ミュージシャンの意見を取り入れつつも、
更に改良を加えギターを作り続けます。

PRSギターの名を世界に知らしめたのは、
1980年にエンドーズ契約を結んだカルロス・サンタナの
シグネイチャーモデルの存在でしょう。

元々、ミュージシャンの間では評価の高かったPRSギターに
目をつけたサンタナは当初は、
ハワード・リースに製作した機種と類似のギターを
オーダーした様です。

また商売人としてもプロモーションに長けたポール氏は、
当時のニーズをしっかり掴んでいた様で、
高級で質の高いギターを作ることで更に確固たる地位を築き上げ
1985年にメーカーとして「PRSギター」を立ち上げました。

1985年に世界最大級の楽器ショーとも言われる
NAMショーに初参加し今の主力商品である
「カスタム24」が「PRSカスタム」と言う名称で発表され
大きな注目も集めた様です。

当時のPRSギターのラインナップは
「スタンダード24」とレースカーの様な塗装が施された
「メタル」の3機種のみですが、

PRSメタル

Photo by Reverb

1987年には今ではヴィンテージギターとしても
扱われることもあるシグネイチャーシリーズが発売され、

1991年に、シグネイチャーの後継として、
アーティストシリーズが開始され
プライベートストックが発足する1996年まで、
様々なバリエーションモデルが製造されました。

ちなみに、このアーティストシリーズは、
現行品で言う所のアーティストパッケージと呼ばれる
オプションとして残されています。

伝説のギターPRS「ドラゴン」シリーズ

PRSギター初の22フレットモデルとして、
1992年に限定生産で50本のみ製作された「ドラゴンⅠ」は
芸術品とも言える精巧な、

龍を象ったインレイが指板一面を装飾した
度肝を抜くルックスを持ったモデルです。

更に1993年にドラゴンⅡが限定生産され100本、
94年にドラゴンⅢが100本製造されています。

もちろん、綺羅びやかな装飾だけではなく、
最高級の木材が投入されカスタムシリーズとは
違い、一体型ストップテイルブリッジや

ドラゴンピックアップの搭載により、
サウンド面でも、しっかりと主張があるモデルといえるでしょう。
ドラゴンシリーズで採用されたスペックは、
のちのカスタム22と非常に近い仕様となっています。

また、この後にもドラゴンシリーズは
ドラゴン2000、ドラゴン2002が限定生産されており、

20周年アニバーサリーの2005年、25周年2010年、
30周年2015年と節目ごとに製作されているようです。

この流れで行けば次は35周年で東京五輪が開催される、
2020年でしょうか?

どんなギターが製作されるのか楽しみですね(笑)

↑30周年アニバーサリーのドラゴンです。

↑ダブルネックかつド派手なルックスのドラゴンギターですね。

PRSの最上位機種であるドラゴンギターは
プライベートストックでも注文することは出来ない
激レアギターです。

まとめ

如何でしたでしょうか?

値段だけ見ても簡単に入手出来るギターでは無いですが、
いつか手に入れたいと思うファンも多いのでは無いでしょうか?

稀に中古でそこそこのお値段で売りに出されている事もあります。
値段がネックになっている場合は自分の求めるモデルに近い
中古品が売りに出されるのを気長に待つのも良いかも知れませんね。

管理人はプライベートストックは所有していませんが、
プライベートストックカレンダーを毎年購入して、
綺麗な写真を見て物欲を抑えています(笑)

 

PRS Private Stock Calendar

 

PRSが発売された当時はフェンダーやギブソンにカスタムショップも無く、
他社と比較しても強気な価格設定ながら
高品質なPRSに多くオーダーが入っていたと言われています。

高品質な木材を使い圧倒的な技術力によって、
精巧に作られたハンドメイドギターは
実際にヴィンテージギターを持っている様な
耳の肥えたベテランギタリストの支持を勝ち取ったのですから、

当時の大手メーカーからすれば、
非常に驚異的な存在になったのでは無いでしょうか?

大量生産体制に移行した
数々のメーカーの品質管理がある意味で
上手く行かなかったと言われる時代背景で
競合他社にも実は多大な影響を与えたと言っても
過言では無いでしょう。

職人として、営業マンとして、
経営者として多彩な実力を発揮する
ポール氏とPRSの歴史と歩みは、未だ止まることはありません。

 

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