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フェンダージャパン シリアルナンバー、年代の見方はコレ!

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フェンダージャパン シリアルナンバー
photo by Bryan

どうも、指1ギター管理人です。

今回はフェンダージャパンのシリアルナンバーと
Fenderが日本で作られるようになった
経緯や歴史について解説しようと思います。

まずはFender Jpanのシリアルナンバーから
分かる年代と製造元工場の一覧をまとめてみましたので、
以下を御覧下さいね!



Fender Jpanのシリアルナンバー一覧まとめ

以下は今はなきフェンダージャパンの公式サイトよりの
引用ですが、サイト自体が消滅しております…。

注意書きには、おおかたの製造年であることと
各機種の値段を指し示すと言った訳では無い事が
記載されていましたので、
これらに当てはまらない例外もあるのかも知れません。

 

フジゲン製造 = Made in Japan表記
JV + 5桁のシリアル1982~1984年製造
SQ + 5桁のシリアル1983~1984年製造
E + 6桁のシリアル1984~1987年製造
A + 6桁のシリアル1985~1986年製造
B + 6桁のシリアル1985~1986年製造
C + 6桁のシリアル1985~1986年製造
F + 6桁のシリアル1986~1987年製造
G + 6桁のシリアル1987~1988年製造
H + 6桁のシリアル1988~1989年製造
I + 6桁のシリアル1989~1990年製造
J + 6桁のシリアル1989~1990年製造
K + 6桁のシリアル1990~1991年製造
L + 6桁のシリアル1991~1992年製造
M + 6桁のシリアル1992~1993年製造
N + 6桁のシリアル1993~1994年製造
O + 6桁のシリアル1993~1994年製造
P + 6桁のシリアル1993~1994年製造
Q + 6桁のシリアル1993~1994年製造
S + 6桁のシリアル1994~1995年製造
T + 6桁のシリアル1994~1995年製造
U + 6桁のシリアル1995~1996年製造
V + 6桁のシリアル1996~1997年製造
ダイナ楽器製造 = Crafted in Japan表記
A + 6桁のシリアル1997~1998年製造
N + 5桁のシリアル1995~1996年製造
O0 + 5桁のシリアル1997~2000年製造
P0 + 5桁のシリアル1999~2002年製造
Q0 + 5桁のシリアル2002~2004年製造
R0 + 5桁のシリアル2004~2006年製造
S0 + 5桁のシリアル2006~2008年製造
T0 + 5桁のシリアル2007~2008年製造
ダイナ楽器製造 = Made in Japan表記
T0 + 5桁のシリアル2007~2010年製造
U0 + 5桁のシリアル2010~2012年製造
JD12 + 6桁のシリアル2012以降に製造


フェンダージャパン設立の経緯とは?

フェンダージャパンは1982年に、

  • 本家フェンダー
  • フジゲン
  • 神田商会
  • 山野楽器

がお互いに資金を出し合う事で
株式会社として設立されました。

と言うのも、当時は日本では第二次バンドブームとも
言われる様に空前のエレキギターブームで
エレキギターを演奏したい若者が溢れていました。

ですが、本家フェンダーは、
輸入品の中でも特に高級品で庶民が
おいそれと手に入れる事が出来ません。

そんなギターキッズ予備軍を対象に
日本国内ではフェンダーやギブソンのコピー品が
出回っていた
のです。

この事を危惧したギブソンは
実態に日本のギター製造メーカー各社に
損害賠償請求で訴えたりもしていました。

フェンダーは、これらのコピー品を
一掃する為に日本のメーカーとライセンス契約を
結ぶ事でフェンダージャパンとして
製造する事を認める方向に舵を切ります。

あえて安価なジャパン製を作る事で、
本家のUSAのブランド価値を下げること無く

 

「いつかは本物のフェンダーを…」

 

と庶民にもフェンダー製品を
身近に感じさせながらも高価なUSA製への
プレミアムなイーメージを作り上げる事にも
成功した訳です。



フェンダージャパン製造元工場のシリアル以外の見分け方!

フェンダージャパンの製造元工場としては、

  • フジゲン
  • 神田商会
  • ダイナ楽器

と3つの工場の名前が上げられている事が
多いですが、実は、

  • 寺田楽器
  • トーカイ楽器

が製造していた事もあったと
言われており、これらの違いを見分けるには、
MADE IN JAPANと印字している書体と位置に
注目して見ると良いですよ。

どの様な違いがあるのか以下に
まとめてみました。

初期フジゲン製スパゲティロゴの下に大文字「MADE IN JAPAN」ゴシック体でヘッドにデカール風
フジゲン製84年辺りから大文字「MADE IN JAPAN」ゴシック体でデカール風でネックヒールへ。
ちなみにフェンダーにオリジナルに少しでも近づける為の変更と言われている。
寺田楽器製小文字「made in japan」ゴシック体(フジゲンとは違うフォント)でネックヒール。
初期ダイナ楽器製

(神田商会)

大文字「MADE IN JAPAN」
ダイナ楽器製製
(神田商会)
ネックヒールに「crafted in japan」
トーカイ楽器製ネックヒールのシリアルナンバー下部に筆記体で「MADE IN JAPAN」

と言われています。

CRAFTED IN JAPANとMADE IN JAPANの違い

ちなみにダイナ楽器製になってからの
「Made in Japan」と「Crafted in Japan」の違いですが、

  • Made in Japan:木材の加工から組み込みまでを日本国内で施した生産品。
  • Crafted in Japan:ギターの組み込みのみを日本国内で施した生産品。

と言われています。

この事からフジゲン製の方が、
木材の質も高く拘りも強いと考えられている
事から
人気が高い一つの要因となっている訳なんです。

では、フジゲンって本当に凄いのか?
何が評価されているのか?
この辺りを次の項目でまとめてみましたよ!

この辺りを知る事でジャパンヴィンテージと
呼ばれるフジゲン製のフェンダージャパンギターの
魅力が理解出来るかも知れませんね。

フジゲン製の魅力・実力

FUJIGEN Stratocaster semiorder

フジゲンは今では自社ブランド「FGN」を
立ち上げていますが、

やぱり注目されているのは、
日本のギターメーカーの下請け業での
実績でしょう。

今でもIbanezの高品質モデルは
フジゲン製ですし、
島村楽器オリジナルブランドの
「coolz」や「hisutory」もフジゲンが
作っていると言わています。

また、一部では伝説化した
逸話で

フェンダーの危機を救ったのはフジゲン!

と言う説もある位です。
どういう事かと言いますと、

1985年にCBSに売却されたフェンダーの
ビル シュルツ新社長が生産工場の買収を
しなかったと言う痛恨のミスのせいで何と
製造基盤を失ってしまいます。

また、CBS期のフェンダーは、
経営方針を大量生産化に大幅に力を
入れたことで高品質のギターを作る為の
技術や人材が不足していたと言われています。

ここで、ビル シュルツ新社長率いる
新生フェンダーは驚くべき手法を取ることで
奇跡の大復活を遂げるのです。

その秘策が


「日本からの技術者に協力を求める!」

と言うことだったんです。

この事でフジゲンからも協力を惜しまずに
元社員である杉本眞さんらを筆頭に
高い技術力を持つ日本人が工場ラインの再建に
尽力しました。

また、フェンダーの新工場での
生産体制が整備されるまでの期間には、
フジゲンが作ったMADE IN JAPANのFender製品が
実際にアメリカでは出回っていた
んです。

また、ビル シュルツ新社長の
新しい構想である「フェンダーメキシコ社」の
設立にも資金面と技術面での協力することで
大きく関わっている事から

一部ではFenderを超えた日本のメーカーとも
言われている訳なんです。

過去は模倣からはじめたとしても
世界のFenderに恩返し(?)した、
フジゲンは日本が誇る世界の企業だと言えるでしょう!

FENDER JAPANのJVシリアルの評価が高いワケ

さて、ここまでフェンダーとフジゲンについて、
語ってきましたが、ジャパンヴィンテージ市場で
特に人気の高いフジゲン製のJVシリアルが
何故ここまで人気なのかを考察してみましょう!

そもそもJVシリアル期は、
フェンダージャパンの創世記
になります。

この事から製造を担当した
フジゲンが滅茶苦茶気合を入れて
ギターを作った事は想像出来ると思います。

なんせ、日本のギターメーカーが
世界に認められた訳ですから、
その期待に応える為に最大限の努力をした事は
間違い無いでしょう。

また、今でこそ様々なモデルが
販売されているフェンジャパなのですが、
この頃は、

  • ストラトタイプが57年と62年モデルを6種。
  • テレキャスタイプが52年モデルを2種。
  • プレベタイプが57年と62年モデルを4種。
  • ジャズベタイプが62年モデルを2種。

のみの少数精鋭のリリースしています。
同じモデルは価格設定の違いから
塗装やパーツのグレードが選別されています。

最高機種の115はラッカー塗装で、
ピックアップ含めUSAパーツが配されている
のも
特徴でしょう!

また、本物のヴィンテージギターを
参考を作られた原点回帰モデルであることも
未だに人気が高い理由の一つだと思います!

本物のオールドのエレキギターが作られた
50年代や60年代程では無いにしろ、
良質の木材を調達する事も今と比べれば
比較的、楽だった事も想像されますね。

これらの要素が結びつき
今の量産ギターの様なコストパフォーマンを
重視するよりも一本一本のギターに対する
手間や熱意が比較にならない程だった事から
実際問題で良いギターに仕上がった事が多かったのでは?
と僕は考察しています。

ジャパンヴィンテージは本当に最高?

ジャパンヴィンテージと一言で言っても
何十年も前の古いギターであれば
全て良いギターと言う訳では無くて
オールドとして価値を持っているギターの
大半が元々良いギターだった

と言うのが僕の持論です。

もちろん弾き込むことによる、
経年変化が良い方向に進む事も否定しませんし、
実際に僕も感じる事はあります。

ですが、古ければ古いほど、
良い音がすると言う意見にはあまり
賛同出来ません。

また、オールドっぽい音が好きな人も居れば、
新品っぽい音やモダンなモデルの音が好きな人も
居るわけです。

実際にフェンジャパのJVシリアルのギターは
ネットでの口コミを見ても賛否両論
です。

フェンダーU.S.Aより音がいいという意見もあれば
そうでも無いと言う意見もある通り、
ギターはやっぱり個体差が大きいのだと思います。

僕は所有していませんが、
知り合いが持っているJVシリアルの
ストラトを触ったことはあります。

うろ覚えですが、中間スペックのモデルだったと
思います。

僕の感想は悪くは無いけど、
高かったら買わないかな…と言う印象でした。

普通のフェンジャパと
同じ価格帯で手に入るのなら是非欲しいとは
思うレベルではありました。

その時は何か別のストラトと比較して
弾いた訳でも無いので、そんな印象でした。

ですが、所有者は凄くそのギターを
気に入っていました。

また、そのギターを見つける為に、
色々と情報を集めたりして探しに探して
購入したギターとの事だったので、
ちょっと触っただけの僕とは思い入れも違うでしょう!

この事からも自分の求めている音が出る
ギターこそが、やっぱり正解
だと思います。

特にヴィンテージに関しては、
これまで使われてきた経緯も加味されるでしょうし
更に個体差が大きくなるでしょうね!

見た目やサウンドのこだわりも
さることながら、こう言ったギターが持つ
歴史を感じる事もヴィーンテージギターの楽しみ方の
一つでは無いでしょうか?

なのでジャパンヴィーンテージの
JVモデルが最高なのか?と聞かれれば
人それぞれでしょうが、

一定数の人が高く評価していることから、
特に良い個体が存在する割合が高いのかも知れませんし
機会があれば一度触ってみる事をオススメします。

もしかしたら、あなたの求めていた
サウンドやフィーリングにバッチリはまるかも知れません。

 

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