どうも、指1ギターの管理人です。
今回はフェンダー社が誇る
ベストセラーのエレキギター、
ストラトキャスターの年代別の音の特徴や
違いについて解説しようと思います。
ヴィンテージギターに限らず、
楽器への評価は人それぞれで人の数だけ
好みがあると思われますが、
僕が実際に触ったり聞いたりした
サウンドの印象と一般的な意見の
両方面から考察しようと思います。
また、過去見た書籍や伝聞などからの
信憑性の高い情報を自分なりの解釈も含め、
まとめたモノとなりますが、
間違い等あればコメント欄またはお問い合わせで
お知らせ頂ければ訂正致します。
これらの知識から、
現行モデルとして販売されている
リイシューのモデルを購入される場合にも、
フェンダー以外でもメーカー各社が
狙っている特性なども考慮に入れることで
新たな発見があるかも知れませんよ!
ではでは、早速いってみましょう!
ストラト創世記モデル1954~1956年製
材質と構造
フェンダー初のエレキギターである、
テレキャスターと全く同じ材構成である、
メイプルワンピースネック・アッシュボディー。
ズ太いながらも「ガキン」と抜ける
サウンドと言われています。
また、1954年の初期モデルの材には、
アッシュはアッシュでも重い
ホワイトアッシュを使ったボディーの個体が
存在する事からも、
ストラト創世記の1954~56年製は
特に個体差が大きいのが特徴の一つと
言われています。
一般的には重い材は低音の輪郭が
クッキリとしていてサスティーンが伸びる
傾向にあると言う意見があったりします。
そして、ワンピースメイプルの
ネック形状としては今では多くの
ビンテージリイシューモデルも見かける
太めの三角ネック(Vシェイプ)が多い様です。
特に56以降が三角の角度が急なハードVシェイプの
傾向が強い様です。
このような個体の微妙なバラツキは
ストラト発売当初は実質テストモデルとしての
意義が強くあった事と、
大量生産型へと以降する前の
完全ハンドメイドによる製造体制が
理由だったのでは?
と考えられている様です。
ネックのヘッド形状はスモールヘッドです。
パーツ
1959年の中頃までピックガード素材としては、
塩化ビニールの1プライものが使われていました。
また54年製に関しては、
ピックアップカバーやボリューム・トーンの
ノブにはプラスチック製が採用されていましたが、
耐久性が悪く割れやすい事から
56年頃にナイロン製に変更されています。
ストリングガイドはブラス材の丸型のもので、
テレキャスターとモノを流用しています。
本物のヴィンテージはパーツ交換の可能性も
ありますが1954年モデルを見分けるには、
この丸型ストリングガイドが見分けやすいでしょう。
56年の中頃からは現在でも良く見るタイプの
カモメ型のストリングガイドに変更されています。
ペグにはクルーソン製のメタルノブタイプが
採用されていますが、何の刻印も無いのが特徴です。
ピックアップはスタガードタイプでブラックボビン。
エレキギターのサウンドの要とも言えるピックアップですが
巻数も年代によって異なる為に出力にも
かなりのバラツキがあると言われています。
ピックアップに関しても、
試行錯誤していたのかも知れないですね!
シリアルナンバーとロゴ
1954年製の初期モデルに限った話ですが、
トレモロキャビティーを塞ぐプラスチックの蓋に
シリアルナンバーが記載されています。
中期以降はネックプレートに刻印として記載されます。
このキャビティーの蓋は
ネジ止めしている事から外すのが面倒で
外しっぱなしにしていて紛失しているプレイヤーも
多数いそうですね…。
最初期~1956年製のシリアルナンバーは
10000番台までと言われています。
ロゴは通称スパロゴこと「スパゲティロゴ」です。
スモールヘッド・スパロゴの組み合わせが
初期フェンダーの顔と言えます。
管理人の経験と印象
個人的に、50年台の
リアルヴィンテージは触った事は無いですが、
カスタムショップ製の54モデルなら触ったことがあります。
高音がガツンと抜けるのに、
低音はゴリっとしていて実は僕の持っている
ストラト像とは若干、違ったイメージでした。
ブルースにも良いのですが、
クリーンならカントリー系のカラッとした音を
求めるジャンルにマッチすると思います。
また、ピックアップの出力自体は
高くなさそうでクリアな音色でしたが、
歪みのパワー感も結構ありロックにも
ハマるな!と感想を持ちました。
ヴィンテージモデルとか関係無く
普通に使えるギターと言うイメージで
ボディーも軽量で好印象でしたが、
この材だとテレキャスターの方が
更にストレートな音がして個人的には好みです。
過去のギターマガジンの特集であった、
「ビンテージストラトの音」と言うCD連動企画での
音を聞いた印象だと、
この年代は2本のギターが用意されていました。
まず1本目は、1955年製で
ホワイトアッシュボディーの個体です。
一般的なストラトと比較すると重心の低い
図太いながらも高域のキレイなサウンドでした。
歪ませるとこれまた極太のサウンドで
フロントピックアップだとブーミーにも
感じるほどの力強さで、
その分リアピックアップはカリカリせずに、
これって本当にストラトのリア?
って位のファットさでした。
何となくですが、
テレキャスターの匂いを少し感じる
音の太さでギブソン系が好きな人でも
ホワイトアッシュのモデルなら
音が細いとは思わないだろうなと言う
レベルです。
2本目の1956年ののギターも、
ホワイトアッシュボディーですが、
ボディーが軽量のタイプの個体でした。
どちらもツートーンサンバーストです。
こっちの個体は、まさに
カントリーミュージックにドンピシャな
サウンドでこれぞアッシュサウンドと言う
音質でした。
ぶっちゃけ1955年製と1956年製で
ここまでキャラ違うの?
って言うのが正直な感想でした(笑)
これが材の問題なのか、
他の要素が重なった結果なのかは
不明ですが確かに個体差はある様です。
1956~1959年製
材質と構造
ワンピースメイプルネック・アルダーボディー。
ストラトと言えばアルダーと言われる程に
一般的なボディ材は、この頃から採用されました。
ネック形状に関しては
56年後期から58年辺りにかけては
急な三角グリップで
58年からラウンドグリップ形状になり
59年製が最もスリムで薄いネックの個体が多いと
言われています。
サウンド傾向としては54~56と比較すると、
柔らかで暖かみのあるサウンドだと
言われる事が多いです。
この事からアルダーとアッシュのボディーの
サウンド傾向の違いが指摘される事が多いのですが、
実はピックアップや、
前述したネックの形状や太さの違いも
影響していることから
アルダーだけがこの年代のサウンドの
違いの要因では無いと言う考え方もあります。
個人的にはアルダーとアッシュの音の違いも
あるとは思うのですが、
これまでのフェンダーギターとは違った
新しいストラトサウンドと生産性の向上に向け
フェンダー社自身が様々な研究をしていた
結果なのでは?と考えています。
ヘッドはスモールヘッドです。
パーツ
前述の54~56年代から大きな変化は
内容ですが、
ペグはクルーソン製のメタルノブタイプで、
57年製以降からは裏蓋の真ん中辺りに
英字で「クルーソンデラックス」と刻印されています。
ピックアップのスタガードの高さや
巻き数は様々なトライアンドエラーが繰り返され
年代によって微妙に違う様です。
古い個体だとモディファイやリペアを
繰り返す内にオリジナルからかけ離れた
サウンドになっているモノもあるでしょうね!
ヴィンテージギターに限らず中古楽器を
購入する場合は、この辺りも
しっかり注意する必要がありますね。
シリアルとロゴ
57年製からシリアルナンバーの
頭文字に-(マイナス)がつけられた
五桁の番号に変更されますが、
また、すぐにマイナスの文字は
数字のゼロ(0)に置き換えられます。
10000番台~40000番台が
この年代のシリアルナンバーだと
言われています。
ロゴは引き続きスパロゴです。
感想
この年代のギターは
リイシュー含め弾いた事が
無いですが、何となくエリック・クラプトンな
イメージがあります(笑)
この年代はギタマガのCDを聞いた感想を、
まとめます。
二種類のギターでデモが演奏されていました。
一つ目は1956年製で、
アルダーボディー・メイプルワンピースの
個体です。
ネック形状がラウンドと三角ネックとの
中間的な形状との事でした。
個人的にはこれぞストラトと言うサウンドでは
無いですが、
アッシュボディーのタイプと比較すると
僕のイメージするストラト像に近づいた
気がしました。
何というかアッシュボディー期と比較すると
若干、可愛らしいサウンドだけど
チャチな訳では無いというか
キレイでスッキリとまとまったサウンド傾向に
なっている印象でした。
どちらかと言うとロックよりはブルースな
イメージでクリーンはカントリーだけでは無く
お洒落なポップスにもバッチリはまりそうな
イメージです。
デモではカントリー系の
演奏もされてましたが、
やっぱりアッシュよりポップなサウンドだなと
個人的には思いました。
単純比較は出来ないのでしょうが、
低音の押出し感の違いがサウンドの
印象を変えているのかな?と思いました。
もう一本のギターは、1957年製で
材構成は全く同じですが、
鋭い三角ネックながら厚みがしっかり残るタイプの
ネック形状です。
こちらの個体は、
かなり軽い個体だそうですが、
56年製のアルダーと比較すると方向性は
かなり似ています。
強いて言えば若干、綺羅びやかな
サウンドで明るいキャラクターでした。
同じ材でも重量やネックの形状や太さでも
結構、音が変わる事にかなりビックリでした(笑)
デモ演奏ではトーンを絞ってジャズ風の
フレーズも披露していましたが、
音の輪郭を残しながらも甘いサウンドも
カバー出来ていました。
アッシュボディーの年代も含め、
ワンピースメイプルネックの共通点として
明るく歯切れの良いサウンドキャラクターが
出しやすいのかな?と個人的には思いました。
1959~1962年製
材質と構造
基本的にアルダーボディーですが、
若干アッシュボディーも採用されていた様です
この年代の特徴は何と言っても
ネックがメイプルワンピースから
ローズウッドを指板に張った仕様に
変更された事です。
何となくのイメージですが、
ストラトと言えばローズウッド指板!と
個人的には思っているので
ルックス的な安心感(?)も僕はあります(笑)
この年代の最も大きな特徴は、
スラブボード指板です。
スラブボードとは、
図の様に指板に対してフラットに
ローズウッドを貼り付けたネックの事です。
後述するラウンド指板と比較すると
ローズウッドが分厚い事からも
サウンドの違いが産まれたと一般的には
言われています。
サウンド傾向としては、
一般的にアルダー&スラブのストラトは
図太いミッドレンジが特徴だと
言われる事が多いです。
またローズ指板自体が
メイプルワンピースのカラッとした
シャープなサウンドとは対象的に、
いわゆる独特の粘りと柔らかな音の
立ち上がりを持つと言われています。
一方、レアなモデルで生産数が少なく
レアなアッシュ&スラブボードですが、
太いサウンドながらタイトでレスポンスの速い
サウンドと言われ、
アルダーとは一味違った
サウンド傾向で、この仕様こそが
ベストなストラトだと言う声もあったります。
これぞ、ストラトと言う
イメージがある程度は統一されていても
人それぞれな部分が大きいのも
ストラトマニアが多い秘密かも知れませんね!
ネック形状は、この頃からは
ラウンドグリップが一般的でヘッドは
これまで同様にスモールヘッドです。
ちなみにローズウッド指板への
変更に伴いネック裏側にあった
スカンクストライプは廃止されています。
これは指板側からトラスロッドを
仕込める様になったからと言われています。
左のネックがスカンクストライプです。
パーツ
ピックガードが1959年からセルロイド素材の
3プライのものに変更されます。
これは3プライの持つ精悍イメージと
あわせて壊れやすく劣化に弱い
塩化ビニール素材からのアップデート的な意味合いが
込められていると考えられています。
僕も3プライの方がルックスにも好きですし、
経年変化の渋さもセルロイド素材の方が
カッコ良いと思います!
また、素材の変化に伴いこれまで8点止めだった
ネジは11点に増やされています。
これも素材の強度がアップした事で
ガッチリと固定出来る様になりました。
素材の変更と共に3プライになった事で、
厚みが変わった事もサウンドの変化の要因では?
とも言われています。
エレキギターの音を拾う
ピックアップが直接ぶら下がっている
パーツなのでサウンドへの影響はあって当然と
考えられるのが一般的ですが製作者に、
その意図が明確にあったのかは謎です(笑)
とりわけ、スラブボードが注目されがちな
この年代のストラトですが、
サウンドを決定づけている要素は
一つや2つでは無いでしょうね!
シリアルとロゴ
シリアルもロゴも前述と変わらず、
トップに0が付きスパロゴです。
シリアルナンバーは30000~90000番と
言われています。
感想
この年代のアルダーボディーのストラトは
ヴィンテージの多数置いている
とあるショップで触らせてもらった事が
あります。
恐らく61年製で
アルダー&スラブだったと思います!
54モデルとは、かなり印象も違い
スリムなネックが弾きやすく好印象でした!
これぞストラトと言う正に王道サウンドで
ピッキングでニュアンスもコントロールしやすく、
弾いていて楽しくなるギターです。
元々、ハムバッカーのギターを弾くことが
多かったのですが、
そのストラトに苦手意識は全く
芽生えなかったです!
やはり柔らかで太いサウンドながら
高域はストラト特有のシャキっとした音なので、
ハムとは明確に違うサウンドです。
ジャンル的にもデスメタルの様な
極端に歪ませるジャンルでなかれば、
ほぼマッチするんじゃないかな?と言う程に
オールラウンドOKな印象ですが、
やはりブルースやファンク等の
フレーズがめちゃくちゃ気持ち良かったです。
前述したカスタムショップ製の54モデルの
アッシュに感じた。太い音は、
どちらかと言えばゴリゴリと言う
もう少し低い帯域が目立ち、
ストラトにしてはイカツイ鳴り方を
していた印象でしたが、
アルダー・スラブボードの太さは
ローミッド辺りの気持ちのよい帯域が
太く伸びる感じでした。
クリーンなら弾きやすく
まとまったサウンドが出せて
歪ませると適度に暴れてくれる
本当に弾きやすくて気持ちの良いギターでした!
生音も非常に大きく体が密着している
ボディからはビンビン振動を感じました。
また、試しにネックをコンコンと叩くと
澄んだ高い音がしましたが、
ショップ店長さんも木がカラッカラに乾いてるからね!
と言ってて納得しました(笑)
この年代のストラトが
人気が高いのも納得です。
アッシュボディーのスラブボードも
機会があれば、いつか弾いてみたいですね。
ですが、さすがに手が出せる価格では
無かったので音の印象だけ脳裏に焼き付けました…。
ただ、54年モデルの方が
音の立ち上がりが早くシャープな
音は出しやすかった印象ですが、
この辺りは本当にトータルバランスの
好みの問題でしょうね!
また、歪みを上げると
かなりノイジーだったので
現代的な音楽を演奏するには工夫が必要かも
知れません。
では、ギタマガの特集を聞いた感想も
まとめてみます。今回も2本です。
一本目は、
1961年年製のアルダー・スラブボードで
サンバースト。
凄くバランスの良いサウンドで、
中域の太さだけで無く、
フェンダーギターらしいピーキーな音も
個性としてしっかり持っています。
50年代中期のストラトと比較すると
やっぱりゴリゴリ言う低音が少なく
スッキリしたサウンドなので弾きやすいん
だろうなと感想を持ちました。
2本目は1962年製で
同じ材構成のレイクプラシッドブルーの
同じ仕様なのでキャラは大きく
変わらないですが、
若干ゲインが高い様な印象を受けました。
粘りのあるサウンドで、
フロントピックアップでの歪みで
低音が潰れないけど
しっかり太さを感じる
だけどストラト特有のクリアな
アタック感を感じる事が出来る
絶妙なサウンドでした。
同じ仕様でも、やっぱり聴き比べると
微妙な差があるのでヴィンテージギターを
選ぶ時は絶対に試奏が必要だなと思いました。
ちなみにデモ演奏をしている
吉田二郎氏は1962の、このギターが
欲しいと言っていました。
過去に弾いた僕の記憶とギタマガの
音源にそこまで違和感は無かったので
個体差は50年代のモノよりは抑えられているのかな?
と思いましたが、
ネットでの情報や知り合いの話しを
聞く限りでは、この年代のギターにも
個体差はかなりあるみたいです。
1962~1969年製
材質と構造
この年代からは、材質の構成は
前の年代から同様の
アルダー・アッシュボディーに
ローズウッド指板を貼ったメイプルネックです。
なのですが、指板の貼り方がラウンド貼りに
変更されます。
ラウンド貼りとは、
図を見てもらうと分かりますが、
ネックのRにそって、
ローズウッド指板を貼っていく事です。
スラブボードと比較すると
ローズウッドが薄くなってしまう事から
サウンドの違いが若干あると一般的には
考えられています。
スラブボードは指板とネックの接地を面で
取っていたのですが、
ラウンド張りは曲面を作る為に、
手間がかかる一方でネックの狂いが
出にくくなる事から採用されたと
言われています。
スラブ貼りと比較するとタイトで
シャープなサウンドだと
考えられている事が一般的です。
1965年の中頃からラージヘッド仕様の
ネックに変更されます。
ちなみに、塗装に関しても
1967年辺りから下地をポリ塗装にした
個体も見られる様になり、
1968年後期からは完全にこの仕様に移行した様です。
パーツ
64年からピックアップが
ブラックボビンから所謂グレイボビンのタイプに
変更されます。
これまでのボビンに使用された
ファイバー紙が黒からグレイに変更されるのですが、
変わったのはボビンの色だけでは無く、
サウンドへ影響のある
ワイヤーの素材がフォームバーコイルから
エナメルワイヤーへと変更されたと言われています。
前の年代のストラトと比較すると
ラウンド貼りとスラブボードの違いによる
サウンドの変化が語られる事が多いのですが、
エレキの場合はピックアップの違いによる
サウンドの印象の変化は木材のチョイス以上に
大きな影響を与える事も非常に多いです。
また、ピックガードに関しても
65年以降はビニール樹脂へ変更されています。
ちなみに厚みは変わらないそうですが、
硬度は上がっていると言われています。
シリアルとロゴ
ロゴは細みのスパロゴから
太めのトランジションロゴに変更され
シリアルは60000~300000番台となっています。
この年代は、これまでと比較して
変更点も非常に大きいですが、
シリアルを見る通り生産性の向上も
著しい印象です。
後期は特に大量生産とまではいかずとも、
初期のハンドメイドに近い制作体制は
取れなくなって来ていた頃でしょう!
また、1965年からはネックプレートに
大きなFのマークが刻印され、
シリアルナンバーはプレートでは無く、
ヘッドに書き込まれる様に変更されました。
感想
この年代のリアルヴィンテージストラトは、
触った事は無いので、
今回もギタマガ企画のサウンドの
感想をまとめます。
1966年製のアルダーボディーで、
ラウンド貼りでサンバーストの個体で
もちろんラージヘッドです。
これまでの年代のストラトと比較すると
高域にフォーカスされたシャープなサウンドで
良く言えばタイトで引き締まった
低音ですが、細く感じる人もいるだろうなと言う
印象を受けました。
クリーン・歪みともに
まとまった凄くサウンドですが、
これまでの年代のストラトと比較すると
良い意味でも悪い意味でもスッキリしています。
特に歪みの乗りが良く
いかにもソリッドギターと言う
出音で様々タイプのアンプやエフェクターとも
相性が良さそうでした。
強烈な個性と言うよりは
オールジャンル対応なコンポーネント系は
こういうサウンドを狙っているのかな?
とも思いました。
とは言え最新モデルのフェンダーギターと
弾き比べすればヴィンテージテイストは
感じるんでしょうね!
1968~1971年製
材と構造
この年代での大きな特徴は、
いわゆる貼りメイプルと呼ばれる、
メイプルネックにメイプル指板を貼り付けた
タイプのネックです。
ちなみに、この貼りメイプルネックは
1967年から採用されていたようですが、
カスタムオーダー専用のオプションだった事から
ほとんど数が無い様なんです。
この年代からはネックの構造だけではなく
塗装もラッカーからポリへと変わります。
貼りメイプル仕様の独特なサウンドは
構造だけでは無く塗装の変更も大きな影響を
与えたと言う説もあります。
ヘッドはこの時期もラージヘッドです。
また、ボディーはアルダー、アッシュが
採用されていますが、
こちらもアルダーが主流でアッシュは
レアな様で、あまり見かけません。
ボディーの塗料もラッカーから
ポリに変わり厚みが増した分サウンドへの
変化が指摘される事が多いですね。
パーツ
1968年より後の年代からは、
ペグが長年使われてきたクルーソンから
ドイツ製のシャーラーに変更されます。
これまでのクルーソンデラックスの
刻印もいわゆるFキーと呼ばれる
「F」のマークに変更される事になりました。
個人的には、このFのマークが
ヘッドの裏に並んでカワイイので
好印象なのですが、
当時のプレイヤーの一部には、
チープなルックスが気に入らないと
別のペグに変更される事も良くあったそうです。
ピックアップに関しては、
1967年頃からエナメルワイヤーの
種類が変更され巻数も少なくなります。
これらの様々な要因から、この年代のサウンド傾向は
一般的に、これまでもモデルと比較すると
突き刺さる様なトレブリーさと抜けまくるサウンドが
指摘される事が多いです。
時代背景的にもロックの大流行で
歪んだギターサウンドを求めるプレイヤーが
激増した事も仕様変更の一因だと考えるのが
自然でしょう!
シリアルとロゴ
シリアルナンバーの表記は、
65年から引き続きヘッドに刻印。
これまでのトランジション・ロゴは
1968年からモダンロゴと呼ばれる、
黒文字で金縁の文字に変更されます。
感想
この年代のヴィンテージも
触った事はありませんので、
ギタマガのサウンドの感想をまとめます。
今回は1971年製の貼りメイプル、
アルダーボディーの黄色く変色した
オリンピックホワイト(?)の個体のみです。
ラウンドボードのローズ指板の個体も
かなり抜けが良かったですが、
こちらは正にトレブリーと言う感じで、
歯切れの良さが加味されたメタリックな
響きも強くなりクリーンでは特に立ち上がりが
早そうな印象を受けました。
ドライブサウンドも
かなり荒々しいサウンドで
リアピックアップはかなりトレブリーです。
デモではワウペダル&マーシャルで
気分はジミヘンな演奏をしていましたが、
ファズ等の低音が膨らむエフェクターと相性が
良いのも分かる位に抜けてた音でした。
ある意味で暴力的とも言える
独特な音の個性を叩き出す、
この年代のギターを求めるギタリストが
居るのも納得のサウンドです。
僕は個人的には使いこなせるのか
分からないサウンドですが、
一度この年代も弾いてみたいですね!
アッシュボディーだと、
もっとタイトなサウンドになりそうなので
更に個性が際立ちそうですね(笑)
1971年以降
材質と構造
1971年からローズ指板や貼りメイプルの登場で
姿を消していたワンピースメイプルネックが
再び登場します。
もちろん、ローズ指板(ラウンド貼り)も継続され、
ボディーはアルダー・アッシュ共に採用されており
材のチョイスは最も選択肢が多い年代です。
塗装に関しても、前の年代から踏襲された
ポリ塗装はヴィンテージマニアには
不評ですが、
この頃から急激に流行した
ハードロックサウンドにはこの年代の
ギターが大活躍したのも事実です。
また、この70年代後期の
アッシュボディーのストラトは
他の年だと比較すると重量が重いモノが
多かったと言われています。
確かに、この年代のヴィンテージギターを
ウィンドウショッピングしていると
ストラトなのに4キロ超えの個体を良く目にします。
重いストラトは取り回しの悪さから、
不人気だったりしますが、
それでしか出ないサウンドから一定の
需要はある様です。
ネックは材の変更以外に
ブレッドヘッドと呼ばれるトラスロッドに
変更されます。
これはヘッド側から飛び出した
弾丸の様な部品からトラスロッドを
調整することでネックを外さずにメンテナスが
可能になっています。
ヘッドは引き続きラージヘッドです。
パーツ
まずは大きな変更点として、
ネックプレートが三角の三点止めに
変更されます。
こちらもマイクロティルトと
呼ばれるネック角度を調整することが
出来る機工が組み込まれています。
コレもネックを外すこと無く、
六角レンチ一本でネックの仕込み角度を
変えることで弦高の調整が可能になります。
また、1971年からは3、4弦に
カモメ型のストリングガイドが追加されます。
これは時代背景的にも
ライトゲージと呼ばれる細い弦が
使われるようになった為に
弦のテンションを稼ぐ為と一般的には
考えられています。
更に大きな変更があります、
レオ・フェンダーが発明した革新的な
ストラト用パーツの一つである、
シンクロナイズドトレモロのイナーシャブロックと
ブリッジプレートは元々はスティール製で
セパレートタイプでネジ止めしていた仕様だったのですが、
ダイキャスト一体型に変更されます。
どう考えても生産効率を上げる為の仕様変更に
ヴィンテージマニアのみならず不評な仕様の様です。
これに伴ってブリッジサドルも
スチールのプレス成型からダイキャスト成型に
変更され大量生産体制になって行きます。
また、77年頃からピックアップセレクターが
5点切り替え式に変更されます。
これによって、ハーフトーンサウンドが
手軽に出せる様になりますが、
この変更は未だに殆どのストラトが
採用していますね!
シリアルとロゴ
1971年よりモダンロゴの
カラーリングは継承しますが、
黒文字部分が細い書体へと変更されます。
また、71年からヘッドに記載された
with syncronized tremolo文字と
76年からはパテントナンバー表記が無くなります。
シリアルナンバーに関しては、
1976年からネックプレートでは無く、
ヘッドに貼られるようになります。
77年からは頭文字に「S」
80年からは「E」90年からは「N」の文字が
入ります。
1971年からは300000番台~となります。
感想
この年代のギターは知り合いが持っていたりで
若い頃に弾いたことがありますが、
若かったこともあり実はあまり印象に残っていません…。
70年代のナチュラルフィニッシュの
アッシュのモデルが滅茶苦茶重かったと言う
記憶はあるのですが…。
と言うことで、この年代も
ギタマガの音源の感想をまとめようと
思います。
1970年代のアルダーボディーに
ローズウッド指板の黒いカラーのモデルでした。
写真からネックプレートは見えませんでしたが、
70年製なので4点止めかもしれません。
ストリングガイドも1、2弦のみです。
サウンドに関しては、これまでのモデルと
比較すると木材の鳴りと言うよりも、
クッキリした音の輪郭が強調されている印象でした。
これまでの年代にストラトに感じられた
木の暖かみの部分が少なめで、
特にクリーンは、ひたすらクリアな音像です。
また、歪ませると低音はゴリゴリしていますが、
変な膨らみは無くゴリっとしながらも
整ったイメージのサウンドですが
歪ませるとロッグなサウンド主張と言うか
イカツイ音像だなと印象を持ちました。
フリーのデモ演奏でもハードロック風の
フレーズが演奏されていて、
歪みの乗りは、かなり良く感じました。
現代音楽だともっとイカツイ音が
出せるギターは沢山あるのでしょうが、
この時代のロックサウンドの一つ象徴の様な
存在なんだなと、やはりヴィンテージギターには
歴史があると思いました。
まとめ
如何でしたでしょうか?
ヴィンテージギターの定義にも
人それぞれあると思いますが、
これ以降のモデルに関しては別の機会に
また、まとめてみようと思います。
特にフェンダーのビンテージ
ストラトキャスターに限らずギターは
個体差が発生しやすい楽器です。
現代の工業化された時代の
同じ型番のモデルですら微妙な違いがあることが
一般的です。
また、ストラトキャスターに関しては、
テレキャスターやレスポールよりも
改造などで弄れる場所がとても多いギターは
元オーナーによるカスタムも考えられます。
購入する際には、それらも考慮して
自分にピッタリのギターを選択する事を
オススメします!
ちなみに僕の所有のビンテージギターは
1966年製のフェンダームスタングですが、
現行品とは全くサウンドも触り心地も違います!
コメント
結局のところ、リアルヴィンテージストラトについては、推測で書いてるだなって思う
匿名さん、コメントありがとうございます。
ヴィンテージストラトは所有している訳では無いですが、
ある程度の本数は弾いた事がありますし、レコーディングで
試させていただいた事もあります。
弾いたことの無い年代に関しては、
管理人の主観や人から聞いた話し、実際に聞いた事のある音なども
参考に推測ではありますが、記事には書かせていただいております。
今後も宜しくお願い致します。