どうも、指1ギター管理人です!
今回は管理人の好きなストラト用のピックアップの一つでもある、
フェンダー・テキサススペシャルの音の特徴や
類似の他社メーカー製の製品との比較をしようと思います。
また、一時期ネットでも割と話題になった
フェンダージャパン製やメキシコ製に搭載されていた、
テキサススペシャルとカスタムショップ製の違いや
見分け方を解説しようと思います。
では、早速言ってみましょう!
FENDER Custom Shop Texas Special Strat Pickups
テキサス・スペシャルは、今はなきテキサス・ブルースの立役者である
スティーヴィー・レイ・ヴォーン氏の為に
フェンダーが開発したピックアップだと言われています。
実際にはレイヴォーンが亡くなった後に発売されたそうで、
ステージで使われる事はなかったそうですが…。
スペックとしては、ポールピースには、アルニコ5マグネットが
スタガード型に配置されていますが、面取りがされていない
ポールピースがワイルドな佇まいです。
黒の樹脂系のボビン、マグネットワイヤーにはエナメル皮膜が採用されていて
直流抵抗値は、
- フロント:6.2KΩ
- センター:6.5KΩ
- リア :6.7KΩ
となっていて、センターリバース仕様となっていて、
素材としてもルックスとしても、ややヴィンテージを意識した仕様ですね。
テキサススペシャルの大きな特徴は、
通常より多めに巻かれたマグネットワイヤーの恩恵で
シングルコイルにしてはハイパワーな出力と、
高密度なミドルレンジを持ちながらも、フェンダーらしい
グラッシーなハイエンドを併せ持ったサウンドです。
管理人も自分のストラトにテキスペを載せてみたり、
搭載されたストラトは何度も触ったことがありますので、
記憶の限りレビューしてみますと、
テキスペは、50年代や60年代のストラトサウンドを狙ったピックアップと比較すると、
高域のクリアさやセンシティブさでは多少なんですが、弱い印象です。
ですが、ダンカンのクォーターパウンド SSL-4などの所謂ハイパワー系のピックアップと比較すれば、
シングルらしいトレブリーさを持った元気なサウンドと言えるでしょう。
特に歪ませた時のワイルドで図太いミッドレンジの音圧やバイト感は弾いていて、
とても気持ちの良いサウンドで、特に単音で巻き弦を弾いた時の、
ピッキングのアタック感は最高です!
管理人的にはブルースやクラシックロックはもちろん、70年代のハードロック系の
サウンドにも悪くはないと思います。
ただ、中域が太いモデルの宿命ですが、載せるギターやバンドアンサンブルに
おける音作りによっては、埋もれてしまって音が前に出てこないと
感じる事もある様で、音作りに工夫が必要です。
歪みとの相性は、もちろん良いですが、メタルを弾くほど激歪みの音作りだと
ノイズが凄いことになる上、埋もれてしまう上、持ち味が消えてしまう印象です。
管理人は、テキスペはミッドブースターをかましたように太い!と言う評価を、
かなり昔に誰かから聞いたことがあり、めちゃくちゃ太いんだろうな!
と先入観を持っていましたが、
スタックタイプやブレードタイプのシングルサイズハムや高出力モデルほどのダークさは無く、
当たり前の事ですが、シングルコイルのカテゴリーに属するレベルの太さと言う印象を持っています。
とにもかくにも、この太い中域が気にいるかどうかが、
このモデルが好きになるかどうかの分かれ道になると思いますが、
未体験の人は試奏でもでも良いので、一度は体感しておいて欲しいサウンドです。
また、使い方としてフロントとセンターにはヴィンテージ・タイプを搭載して
リアに図太いテキスペを搭載すると言う王道的な使い方や、
SSHのフロントやセンターにテキスペと言うのもアリだと思います。
↑の2つはフェンダー・オフィシャルの
テキサス・スペシャル・ピックアップのクリーンと
歪みの演奏動画です。
やはり、テキスペはクリーンも良いですが、
軽くでも歪んでる方が元気なトーンになる気がしますね!
↑フェンダー・ハイウェイシリーズに搭載されたテキスペと
ファット’50の比較動画です。ピックアップカバーが白いのが
テキスペでクリームがかった色がファット’50です。
ファットになっている帯域が、はっきりと違いますね。
テキスペはミッドが太く低音弦のゴリっと感が気持ち良いですが、
ファット’50はミッドはスッキリした印象ですね。
近年ではファット’60なるモデルも発売されたらしく、
フェンダー社のピックアップもかなり、ユーザーの好みにあわせて
細やかなラインナップを揃えていっている様です!
テキサススペシャル日本製とUSAの違いと見分け方?
過去に、今はなき、フェンダージャパンのTXと名の付くモデルに
搭載されていたテキサススペシャル・ピックアップは日本製で、
USAやメキシコに載っているモノは米国産なので、音が全く違うと
巷で噂となっていた様です。
殆どの楽器店やメーカーの説明では、
同じ製品と言う回答が多かったらしいのですが、
実際に弾いてみると音が違うと言う声もあり、
やはりUSAのピックアップは特別なのか?と様々な
憶測が飛び交っていました。
実際問題、搭載されているフェンダージャパンとUSAの木材や個体差や、
ジャパンはUSAと比較すると配線材やポットやピックアップセレクターなどの
サーキットが貧弱とも言われているので、その辺りも影響を与えていると思われます。
また、生産時期により微妙にサウンドが違うと言う声もある様ですが、
フェンダー社は特に仕様を変更したと発表もしていません。
もしかしたら、原材料の変化や時代に合わせて微妙に音を狙って
変えてきたのかも知れませんが、
それは、さすがにメーカーの中の人にしか分からない事ですね。
こういった年代の違いによるサウンドの違いが話題になる事はピックアップだけでは無く、
エフェクターなどでも良くある事です。
エフェクターの場合は内部回路の数値やパーツの変更などを詳しい人で
あるならばチェック出来ますが、ピックアップの構造だけで音を判断することは、
なかなか難しいでしょう!
何はともあれ、テキスペの太い中域を持ったワイルドなトーンという基本路線は、
年代を問わず継承されていて、音の違いはあったとしても微々たるものと考えて良いでしょう。
フェンダー社からは、現在はカスタムショップ製の
テキサス・スペシャルのみが販売されていて、
カスタムショップ製はボビンにステッカーが貼っています。
中古市場などで見かけた時に過去のテキスペと現行とを見分ける方法としては、
ステッカーの有無を確認するのが良いと思いますが、ステッカーが剥がされている場合もあるので、
カスタムショップ製に拘る場合は販売者にしっかりと確認を取った方が良いかも知れませんね。
↑フェンダージャパン製のストラトと標準で搭載されている
テキスペによる演奏動画。
他メーカーのテキスペ系ピックアップ
SEYMOUR DUNCAN ( セイモアダンカン )
Custom Staggered SSL-5
セイモア・ダンカンのSSL-5は、シングルコイル特有のトレブリーさは継承しつつも、
マグネットコイルのオーバーワウンドによって高出力化された、
所謂「ヴィンテージ・ホット」タイプのピックアップです。
メーカーの宣伝文句によると、ライト・ゲージでもスティーヴィー・レイ・ヴォーンの様な
極太サウンドをアウトプット出来ることが大きな特徴の様ですね、
フェンダーから発売されたデヴィッド・ギルモアのシグネイチャーモデルのストラトに
採用されたことで注目を集め、非常に人気の高いモデルです。
スペックとしては、ポールピースにアルニコ5マグネットが採用されていて、
直流抵抗値は13.3KΩ、トーンチャートでは、
- TREBLE:7
- MIDDLE:4
- BASS :5
となっています。
音の傾向ですが、テキスペと比較するとミドルエンドの粘り感などは近く感じるものが、
あるかも知れませんが中低域~低音の伸びはSSL-5に軍配が上がる印象です。
また、高音域は出ていないことは無いですが、
フェンダーやディマジオの様なピーキーで派手な倍音は少なく、
シングルコイルにしては、まとまりのある落ち着いたサウンドと言えるでしょう。
テキサススペシャル系として、紹介はしましたが、
テキスペを想像すると人によっては若干甘めで大人しいサウンドに感じるかも知れないですね。
↑はセイモア・ダンカンのオフィシャル動画です。
リアにSSL-5、ミドル・フロントにSSL-1を搭載している
ストラトのサウンドチェック動画の様ですね。
リアでも、しっかりとリードで使える太いサウンドが作れる
ピックアップだと分かります。
フロントに持ってくると、もっと甘いサウンドも出せそうですね。
↑の動画はダンカンのSSL-1とSSL-5の比較動画です。
ヴィンテージ系ド真ん中のSSL-1とローミッド辺りの
野太いサウンドのSSL-5の対比で非常にで分かりやすい比較レビューですね。
テキサススペシャルの暴れまわる様なワイルドが倍音が耳障りだけど、
純粋なシングルコイルで中域が太いサウンドが欲しい人には
良さげな選択肢と言えるでしょう!
DIMARZIO
DP409 Virtual Vintage Heavy Blues 2
ディマジオのバーチャル・ヴィンテージ・シリーズからは、
「ヘビーブルース2」をチョイスしてみました。
スペックとしては、ポールピースにアルニコ2マグネット
直流抵抗値は8.53KΩとなっています。
トーンチャートしては、
- TREBLE:6.5
- MIDDLE:7.0
- BASS :6.0
となっています。
メーカーとしてはリア・ピックアップに搭載することを推奨している様ですが、
フロントやミドルに搭載することも可能です。
スタックタイプならではのハムキャンセリング効果を活かした、
徹底したローノイズな設計と同社のエリアシリーズにも採用されている
技術によってはヴィンテージ感が再現されている様です。
↑の動画はヘビー・ブルース2でのSRV風の図太いサウンドを実演しています。
↑はクリーントーンでの演奏です。
中音域に密集した分厚いサウンドながら、
スタックタイプにしてはピーキーで暴れる高域を持つサウンドは
テキスペ系として、十二分に使えそうですね。
純粋なシングルと比較するとニュアンスの違いはあるかも知れませんが、
ローノイズでテキスペ系のサウンドを求めるなら、
ヘビーブルース2は良い選択肢になるかも知れませんね。
LINDY FRALIN ( リンディーフレーリン ) /
BLUES SPECIAL SET WHITE
米国、ヴァージニア州のハンドメイト・ピックアップ
ブランドのリンディー・フレーリンからもヴィンテージ・タイプの
ピックアップにコイルをオーバーワウンドした、
その名も「ブルース・スペシャル」が発売されています。
スペックとしては、Made in USAのアルニコ5マグネットをポールピースに
42ゲージのSPNワイヤーが採用されていて、直流抵抗値は、
- フロント:6.3KΩ
- ミドル :6.3KΩ
- リア :7.2KΩ
となっています。
実はこのブルース・スペシャルですが、リンディーのピックアップの中では
ベストセラーとなっている、ヴィンテージ・ホットを元に
5%だけ多くワイヤーを巻き足すことによって
太めのサウンドと高出力を狙ったモデルとなっている様です。
ブルース・スペシャルはヴィンテージ・ホットに次いで
2番目に売れている人気の高い製品です。
メーカー推奨のポットの抵抗値は250KΩで、
ハーフトーン時はローノイズなセンターリバース仕様となっています。
↑の動画はフェンダー・カスタムショップの
テキサススペシャルとリンディーのブルース・スペシャルの
比較動画です。
どちらもシングルコイルにしてはミッドの太いサウンドながら、
リンディーは全体的にワイドレンジかつ上品な倍音で
テキスペの様な暴れん坊さは、無いものの様々なジャンルの音作りに
対応できそうな懐の深さを持っていると感じました。
高音域が決して弱いわけでも無いですが、
まとまりのある優しいトーンは、リンディーのセンスが
光っている気がします。
ただ、高密度な中域の音圧感や歪ませた時の噛み付くような
ワイルドなサウンドに関してはテキサス・スペシャルに
軍配が上がる気がします。
VANZANDT ( ヴァンザント ) /
BLUES
米国のテキサス州に拠点を構える、ハンドメイド・ピックアップメーカーの
ヴァンザントからは、その名もズバリ「ブルース」と紹介します。
62年製のオリジナル・フェンダーのストラトサウンドを再現したとされる、
ヴィンテージ・プラスの中域を更に増したモデルとして発売しました。
ヴァンザントと言えば、スティーヴィー・レイ・ヴォーンが
実際にトゥルー・ヴィンテージと言うピックアップを愛用していた
ギターに搭載していた事で有名になったブランドです。
スペックとしては、マグネットはアルニコが採用されていますが、
オフィシャルサイトにはQ&Aにて、アルニコ5と表記されていましたが、
どこかのショップのサイトで見た時はアルニコ4とも表記されていました。
普通はシングルコイルであれば、アルニコ5が使われる事が多いので、
恐らくアルニコ5が採用されているのでは無いでしょうか?
また、直流抵抗値は6.8kΩ前後となっています。
↑の動画はスティーヴィー・レイ・ヴォーンモデルのストラトに
ヴァンザント・ブルースを搭載したギターの演奏動画です。
動画を見る限りでは、中域の太さは感じるもののテキスペの様な
音圧感や暴れる音と言うよりは、その名の通りブルージーで枯れた印象ですね。
図太いミッドレンジは持っているものの、
暖かい大人しめのサウンドと言う評価も多く、
フロントピックアップには不向きだと言う声もある様ですね。
渋めの大人のブルースマンを目指すなら、かなりマッチするのでは?
まとめ
如何でしたでしょうか?
フェンダー・テキサス・スペシャルはフェンダー社の
リプレイスメント・ピックアップの中でも、
1、2を争うほどの人気のモデルです。
管理人も一時期、搭載していた事のあるモデルですが、
非常に弾きやすくて、絶妙なサウンドのバランスは、
幅広いユーザーに受け入れられやすく非常に考えられて作られた
機種だと本当に関心します。
ヴィンテージスタイルの繊細でトレブリーな、
ストラトサウンドに不満がある場合は一度お試しすることを
オススメします!
テキスペの方向性は好きだけど、
「あと一声!」と感じる人は他社メーカーの
製品も良いかも知れませんね。
この記事が、あなたのギターサウンドの追求の
何かに、お役に立てれば幸いです。
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