どうも、指1ギター管理人です。
今回はギターのボリュームポットに
改造又は交換する事でエレキギターの
音質や操作性を改善する方法を紹介します!
紹介する改造が製品化されている場合もありますが、
DIYでやれば、パーツ代が100円もかからず
出来る事もあるのでオススメです。
ハイパスフィルター化
ギターを演奏する時に
ボリュームを操作する事でクリーンから歪みまで
使い分けたい場合に、
ボリュームを絞るとギターによっては
音量とゲインが下がると同時に
ハイ落ちしてしまい、音がモコモコして
抜けや立ち上がりが悪くなる事があると思います。
これは抵抗器が低音よりも高音域の
電子信号を通しにくいという性質を持っているからです。
こんな時には、ポットにコンデンサーを
1つハンダ付けするだけで解決する方法があります。
それがボリュームのハイパスフィルター化です。
図の様に、ボリュームの3番端子と2番端子の間に
小さい値のコンデンサーを挟むだけでOKです。
ちなみにギターの音量を絞れば絞るほど、
コンデンサーをパスするピックアップの電流信号は増加し
ハイパス(高音を通す)フィルターとして動作します。
この事でデフォルト状態の様に、
ヴォリュームを絞る事によって生じるハイ落ちを
回避する事が可能になります。
また、原則論としてボリュームがフルテン状態では、
ハイパスフィルターとしては作動せず
音量を絞った時の音質のみが改善される非常に
便利な改造だと言えるでしょう!
ボリュームを絞った時の音が嫌いだと
言う人は迷うこと無く試してみる価値はあると思います。
コンデンサーの値
コンデンサーの値に絶対的な決まりはありませんが、
電気回路的としてコンデンサーの値が小さければ小さいほど
高域成分のみをパスさせる事が可能になり、
逆に値を上げていくと通過出来る帯域は広くなるのが
コンデンサーの特徴です。
この事から、
あまり大きな容量値のコンデンサーを
選択するとボリュームを絞った場合に、
残る帯域が広くなるので、
音量を絞ってもパスする信号が増え、
変化が少なく逆にボリュームポットの効き自体が
悪くなったと感じてしまう事もあります。
逆に容量が小さすぎると軽く音量を絞った時点でも、
高域成分のみのシャリシャリとした成分のみなり、
ボリュームを少ししか絞っていないのに、
音量が極端に落ちた様に感じてしまいます。
一般的にはテレキャスターでは、
0.001uF(1000pF)の値が採用されている事が
多いですが、
楽器屋さんやリペアショップだと、
0.00025uF(250pF)のマイカコンデンサーも
良く見かけます。
参考までにモデルにもよるでしょうが、
ハムバッカーが採用されているギターが多い
PRSには180pF、
フェンダータイプに近いモデルが主力の
G & Lでは200pFが採用されている事が多い様です。
管理人がハイパスの値を決める時には、
基本的には0.001uFから試して問題を感じる様なら
値を上下させます。
ボリュームを絞ることで、
早めに綺羅びやで抜けの良いサウンドへ
変化して欲しければ、小さめの値が良いでしょうし、
ボリュームを絞った時に、
抜けは良いけど、あまりにスカスカの音に
感じるようなら値を上げれば良いでしょう!
ハイパスフィルター化は一見すると
とても良い改造なのですが、
次に紹介する改造をプラスすることで
弱点を改善する事が可能です。
スムーステーパーボリューム
スムーステーパーボリュームとは、
前述のボリュームポットのハイパスフィルター化の
弱点とも言えるボリュームカーブの不自然な変化を
改善する改造です!
こちらも図の様に、
ハイパスと並列に抵抗器を追加するだけの
簡単な改造なのでハイパスのみを試した場合に、
ボリュームポットによるサウンドの
変化具合が操作しにくいと思ったら
試してみる価値はあるでしょう!
抵抗器の値
スムーステーパーボリュームの抵抗器の値は
可変抵抗器の値より少しだけ小さい値を選定するのが
一般的です。
例えば可変抵抗器が、
- 250KΩ(シングルコイル向き):240KΩ
- 500KΩ(ハムバッカー向き) :470KΩ
- 1MΩ(テレキャスター向き) :910KΩ
となりますが、
各メーカーから販売されているスムーステーパーの
完成品の値はコンデンサーも抵抗の値も微妙に違います。
以下に例をあげてみます。
メーカー | コンデンサー | 抵抗器 |
ビルローレンス | 330pF | 80KΩ |
リンディーフレーリン | 0.0025uF(2500pF) | 220KΩ |
セイモアダンカン | 0.001uF(1000pF) | 100KΩ |
ディマジオ | 560pF | 300kΩ |
Suhr | 680pF | 150KΩ |
TV Jones
Montreux |
0.001uF(1000pF)
オレンジドロップ |
150KΩ |
ヒューマンギア | 250KΩポットに0.0025uF(2500pF) 500KΩポットに250pFオレンジドロップ |
220KΩ |
Emerson Custom | 470pF
スチロールコンデンサー |
220KΩ |
Mojo Tone | 470pF | 220KΩ |
これらを見ても分かる様に、
各メーカー毎に考えるスムーズに感じる値は、
微妙に違う様なので、
プレイスタイルによって快適に感じる、
スムーステーパーボリュームの設定も
十人十色なのだと思います。
スムーステーパーの進化系?直列配線!
スムーステーパーボリュームでも
自然な音量変化に感じられない又は、
ボリュームを絞った際の音質が
素の状態でもスムーステーパーでも
どちらも気に入らない場合には、
この方法も試してみると良いかも知れません!
図の様に抵抗器を並列では無く直列に
繋ぐことで、ボリュームを絞った際のハイパス具合が
マイルドになると言われている改造です。
キンマンと言うピックアップメーカーでは、
0.0012uF(1200pF)のコンデンサーと130KΩの抵抗器が
推奨されていた方法で、
管理人も一度試してみましたが、
通常のスムーステーパーボリュームの方が
個人的には使い勝手が良かった印象です。
ちなみに抵抗器とコンデンサーを繋ぐ順番を
変えると、また質感が変わるとも言われています。
また、更に進化(?)した、
フェンダーのアメリカンプロフェッショナルシリーズに
採用されているトレブルブリード回路が以下の図です。
コンデンサーは0.0012uF(1200pF)
並列の抵抗器に150KΩと他メーカーと
さほど差がない様に思えますが、
更にコンデンサーと直列に
20KΩの値の抵抗器を追加している回路です。
この配線は試したことは無いですが、
キンマンの配線より更に自然なボリューム変化と
音質を狙った良いとこ取りの改造なのでしょうか?
機会があれば試してみようと思います。
パーツの違いによるサウンド変化!
リプレイスメント用の既成品では、
ハイパス用コンデンサーにはセラコン。
抵抗器には炭素皮膜の素材のタイプが
採用されている事が多いのですが、
どれもコストが低く、パーツ屋さんのみならず
楽器屋さんでも取り扱っている所も
ある位に手に入れやすいです。
コンデンサーにフィルムやオイルコンデンサー、
マイカや積層セラミックなど、
抵抗なら金属皮膜や誤差の小さいタイプや
ヴィンテージパーツを使うことによって
音質の変化を狙う場合もあります。
パーツの差異によるサウンド変化が
微々たるものなのか、
大きな違いに感じるかはプレイヤーの
求めているサウンド次第だと思います。
管理人の生徒さんや知人のギタリストでも
ハイパスやスムーステーパーは音が硬く
不自然に感じるという声は一定数ありますし、
抜けが良くなって使いやすくなったと言う声も、
もちろんあります。
ちなみに管理人のギターは
ヴィンテージギター以外は全て
スムーステーパーボリューム化しています(笑)
手軽な改造で実感出来る効果は絶大なので
オススメです!
まとめ
如何でしたでしょうか?
ボリュームポットの改造は
ピックアップ交換ほど高価にもならず
木部の加工ほど専門的な技術も必要無く
手軽に出来る割に実感できる効果も
大きく非常にオススメです。
ギターのベーシックな部分の音が
変わる訳では無いですが、
ギターの鳴りやピックアップの持っている
個性を如何に出力するかを多少とは言え、
自分好みに持っていけると言う意味では
バッチリとハマれば正にかゆいところに手が届く
改造だと言えるでしょう!
また、DIY初心者のはじめての
ギター弄りにも最適といえると思いますよ!
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