" フェンダーテレキャスタービンテージの年代別の特徴と歴史!

テレキャスター ビンテージ

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フェンダー・テレキャスター ヴィンテージギター

どうも、指1ギター管理人です。

今回はフェンダーを代表する世界初の
量産型ソリッドボディー・エレキギターである、
テレキャスターの年代別の特徴を
まとめてみようと思います。

シンプルなルックスと構造の
テレキャスターですが

未だに1950年に世に送り出された
スペックが採用され続ける部分もあり、
レオ・フェンダー氏の才能は本当に凄いですね。

ではでは、早速行ってみましょう!
ヴィンテージギターを見分ける上で
助けになれば幸いです。



1950~54年

Telecaster au bord du lac

最初期のテレキャスターから
その前身となったエスクワイヤー、

ヴィンテージマニアには常識かもですが、
ブロードキャスター・ノーキャスター・
テレキャスターまでの違いを時系列に
まとめてみました。

1950年 エスクワイヤ&ブロードキャスター

fender esquire(エスクワイヤ)

レオ・フェンダー氏の暖めていたアイデアを
具現化させたエレキギターである、
テレキャスターの前身となる「エスクワイヤ」が
1950年に発表されます。

未だ続く世界最大の楽器展示会である、
NAMMショーに展示された時は
白ピックガードに黒ボディーで、
リアのみのワンピックアップ仕様でした。

NAMMショーでは発表されなかった様ですが、
フロントピックアップの搭載された
ブロードキャスターも同年に発売されました。

1951年 ブロードキャスター&ノーキャスター&テレキャスター

1951年に発売していた
エスクワイヤの2ピックアップモデルである
ブロードキャスターですが、

すでにグレッチが同名のドラムセットに
ブロードキャスターと言う商標名で
販売していたため、

フェンダー側はブロードキャスターを
テレキャスターに商標変更する事を
決定します。

この騒動によって、
テレキャスターのロゴデカールが
完成するまでの間は、

デカールからブロードキャスターと
記載された部分をカットして
貼られていたモデルが約半年間は
出回っていたと言われています。

このモデル名のロゴがないギターが
ヴィンテージマニアの間では
ノーキャスターと呼ばれているわけなんです。

要するに、

  • ブロードキャスター
  • テレキャスター
  • ノーキャスター

は内容としては全く同じモデルだと言えるでしょう。

木材

2007 Fender Classic Player Baja Telecaster (Desert Sand)

ネック材はメイプルワンピースで、
25 1/2インチ(648ミリ)の
現代のフェンダーでも標準的な
スペックとなっているロングースケールです。

当時のレオ・フェンダー氏は、
生産性を重視していた為、トラスロッドは
必要なしと判断していたそうなのですが、

様々な助言を受け、
ネックの反りなどによる不具合が生じる事も
考慮した結果トラスロッドは導入されます。

この時代のリアルヴィンテージでも
トラスロッド無しモデルはかなりレア

言えるでしょう。

トラスロッドの仕込みによって、
ネック裏にはウォルナットの埋木として
いわゆる「スカンクストライプ」と

ヘッドの表側には、
涙型のウォルナットが特徴の一つです。

また、指板の滑りと汚れからの保護を目的に
指板に直接クリアラッカーが吹き付けられていますが、
弾けば弾くほど剥げ落ちてしまい、

ヴィンテージテレキャスのメイプル指板は
黒ずんで汚れているのが一般的です。

のちに登場するローズウッド指板は、
この汚れた指板に対するユーザーからの
苦情が原因とも考えられています。

また、この頃はテレキャスのネックは、
トライアングルグリップと
呼ばれる角度が緩めの三角形型で
太いネックもこの年代の特徴と言えるでしょう。

この年代の図太いながらも
立ち上がりの早いと言われるサウンドは
この形状のネックも影響していると
一般的に考えられています。

サウンド面でも操作性の面でも
未だに人気が高いスペックです。

ボディー材に関しては、
エスクワイヤの展示モデルはパイン材でしたが、

パイン材は非常に安価な材だったため、
高級感に欠けるという理由から、

黒の塗りつぶしのフィニッシュにしていたと
言う説もありますが、

その後に発売される2ピックアップ仕様の
ブロードキャスターでは、

今も定番のアッシュ材に変更され、
太い導管の木目が栄える
シースルー塗装である、
バタースコッチブロンドフィニッシュが
採用されます。

この時代は米国産の良材が多かったらしく、
非常に軽いスワンプアッシュが多く、
使われていた様ですが、

今とは違い輸入材を使うよりも
圧倒的にコストも安かったと言われています。

パーツ

ペグは当時から信頼性の高い
クルーソン製ですが、
この時代は刻印が無いタイプです。

ストリングガイドはこの年代の
フェンダーに見られる、
丸型のラウンドタイプと呼ばれるモノです。

ちなみに最初期のものはネジ穴が
マイナスだったのですが、

52年中頃からプラスネジ仕様に
変更されています。

ピックガードが黒のベークライト製で
こちらも指板と同様にクリアラッカー塗装が
されネジ5本で固定されています。

 

いわゆる「ブラックガード」と言われる
バタースコッチブロンドのボディーに
黒いピックガードは、

最初期のテレキャスターの
トレードマークとも言えるルックスです!

 

ボリューム・トーンのノブですが、
この頃のドームノブと言われるタイプの
ノブの頂点が丸みを帯びた形状です。

ブラスの削りだしによる成型でしたが、
この頃のフェンダーは
ハンドメイドだったために
加工のバラツキからノブの丸み具合が
微妙に違うと言う説もあります。

この年代のピックアップセレクターの
トップの形状は丸い
バレルタイプと呼ばれるモノです。

他にはテレキャスターのサウンドの要とも
言われているブリッジとサドルですが、

薄い鉄板をプレス成型したブリッジに
リアピックアップを固定する事で
テレキャス特有のメタリックな響きが
加味されているとも言われています。

ブリッジプレートには、
年代による大きな変化は無いのですが、
サドルは年代毎に変わっていきます。

この年代のテレには、
ブラスサドルが採用
されています。

経年変化で青緑のサビが出る事が多いですが、
ブラスサドルを採用するメーカーは
未だに多く、豊かな響きとサスティーンが
評価されている様です。

サドルはストラトキャスターの様に
各弦独立したタイプでは無く、

棒状のブラスサドル1つに2弦づつペアで、
3つのサドルが載っています。

このタイプでもサドルを微妙に動かす事で
オクターブピッチを調整することが可能ですが、
この構造だと完全にピッチを合わせる事は
難しい
と言われています。

現代ではピッチをかなり高い精度で
調整可能なモデルも販売されていますが、

当時このスペックのまま発売したということは
このブリッジによるサウンドに
制作サイドはかなり手応えを感じたからでは?
と言う声も非常に多いです。

ピックアップ

この年代のピックアップに関して、
リアピックアップはポールピースが
一定の高さに統一された
フラットポールピースと呼ばれるタイプで、
アルニコ2マグネットが採用されていたと
言われています。

また、リアピックアップには、
コイルを保護する為に白いタコ糸が
巻かれていますが、
最初期のテレには黒いタコ糸が巻かれた
個体もあった様です。

ピックアップ本体の裏側には、
金属プレートが接着されており、
この金属がマグネットに

少なからず作用して、
音への影響もあると言う説も
ありますし、

ストラト用のピックアップの
裏に金属プレートを貼り付ける事で
低音のブースト感を得る改造もあったりします。

50年代前半~中頃の
テレキャスターはブライトながらも
特に図太いサウンドの個体が多いと
言われています。

レスポールの様な太い音と言う
表現をされる事が多いのが、
特に50年代初期のテレキャス
です。

このタイプのピックアップが、
そのサウンドへ貢献していると考えるのが
自然でしょう!

一方でフロントピックは、
シングルコイルながら金属カバーが
付けられたルックス的にも
対象的な印象を受けると思いますが、

サウンド的にも甘く太いウッディーな
響きでシンプルながら
広い範囲のサウンドバリエーションを
カバーしています。

固定方式にも大きな違いがありますが、
リアは金属ブリッジにスペーサーをかませて
3つのネジで止められていますが、

フロントは木部に直接ネジ止めした
ダイレクトマウント方式を採用しています。


↑1952年製フェンダーオリジナルテレを
1955年製ツイードスーパーアンプに突っ込んだ
サウンドです。

配線

エスクワイヤーはリアピックアップのみで
3WAYピックアップセレクターで、

 

  1. プリセットトーン(高域カット)
  2. トーンが効くリアトーン
  3. 回路をスルーしたリア

 

1ボリューム・1トーン

の配線となっています。

フロントピックアップも搭載された
ブロードキャスター以降のモデルでは、
ヴィンテージサーキットと言われる、
現代ではあまり見ない配線がされています。

3WAYピックアップセレクターに、

  1. プリセットフロント(高域カット)
  2. フロントピックアップ
  3. フロント & リア(パラレル)

で、これではテレキャスの個性の
一つであるリア単体の音が選択出来ないと
思われがちですが、実は違います。

1ボリューム 1ブレンダー

のポットが2つ配置され3を選択した時に、
フロントピックアップの電気信号の量を調整する事が
出来ると言う配線になっていました。

リア単体の音が欲しい時はブレンダーで、
フロントの信号をカットする事で可能だった訳です。

今の音楽を演奏する場合には、
操作性の上では、面倒な印象を受けますが、
音のバリエーションとしては
かなり広い範囲をカバー出来ると言えるでしょう。

この配線は53年の中頃までのモデルで
採用されたいたと言われています。

また、テレキャスターの
フロントピックアップの出力が低くて
使えないと言う評価を巷では
チラホラ聞きますが、

購入したテレキャスターの配線が、
ヴィンテージサーキットである場合に
フロント単体と思って1を選ぶと、

音が引っ込んで感じると思いますが、
回路によるサウンドなので、
ピックアップ交換などを検討している場合には
確認しておくべきポイントの
一つと言えるでしょう!

シリアルナンバーとロゴ

モデル名のロゴとして

  • 1950年のブロードキャスターロゴ
  • 1951年のロゴ無し通称ノーキャスター
  • 1951年のテレキャスターロゴ

ですが全て同じギターです。
1952以降は全てテレキャスターが
モデル名のロゴとして定着します。

ブランドロゴであるフェンダーの文字は、
細長い銀色に黒い縁取りをした
いわゆるスパゲティーロゴが採用されています。

シリアルはブリッジプレートに刻印され
1954年製の6000番以下までが
割り当てられています。



1954年後期~1959年のテレキャス

Fender Telecaster

ここからは最初期のブラックガードテレから
若干の変更が加えられた
「ホワイトガード」期と呼ばれる、
50年代中期以降のテレキャスターを紹介します。

木材

これまでと同様に、
メイプル・ワンピースネックで
引き続きトライアングルシェイプと
呼ばれる所謂三角ネックが採用されています。

特に56年~57年製の個体には
三角な形状が強くなるネックが多いと
言われています。

それ以降に次第にCシェイプよりの
ネック形状に移行し
50年代最後期には更に細い形状のネックも
登場します。

スカンクストライプとヘッド表の
涙型のウォルナットも引き続き
この年代でも見られる特徴です。

ボディに関しても、
アッシュボディーは変わらずですが、
バタースコッチブロンドと比較すると

黄色みより白みが強く
より硬質なタイプの塗装へ変更されたと
言われていますが、

59年製には黄色みが強い
フィニッシュに回帰していきます。

この辺りはユーザーの需要を
汲み上げた結果なのかも知れませんね!

パーツ

ペグに関しても引き続き
クルーソン製ですが、
ルックス的には変化があります。

56年製では、
クルーソンの文字刻印が無しですが、

57年製以降では、
「KLUSON DELUXE(クルーソンデラックス)」
の文字がペグ裏蓋の中央部に刻印されています。

ストリングリテイナーに関しては、
56年初期製までは丸型ですが、
56年中期からプレス成型のカモメ型へ
変更されます。

ルックス的にボディーフィニッシュと
共に大きな変化として、
54年後期からはピックガードが
白のビニール系素材のモノに
置き換わります。

この変更が50年代中期以降の
いわゆる「ホワイトガード」と
呼ばれる所以となった大きな特徴の一つです。

 

59年中期から発売された
カスタムテレキャスターにて先行して
採用された、

分厚く頑丈でルックス的にも
ゴージャスな3プライピックガードが
登場し固定ネジは8本に増やされた
ピックガードが登場しますが、

59年中期~60年代中期までの
レギュラーラインのテレには、
どちらのタイプも見られる様です。

ボリューム・トーンノブに関しては、
1956年以降のモデルには、
ドームタイプからうって変わり、
頂点が平らな形状の
フラットトップタイプへと変更され
素材はアルミになったと思われます。

ブリッジプレートに関しては、
1958年にベースにも採用されていた
トップローディングタイプの
ブリッジが採用
されます。

トップローディングとは、
通常のテレキャスの様に弦を裏通しせず、
ブリッジプレートの最後尾に弦のボールエンドを
固定する方式です。

この変更に伴いブリッジ形状は
変更されませんが、ボディーと合わせた穴は
無くなり、ブリッジのお尻の部分に
穴が空けられます。

ただ、この構造に不満を持つユーザーが
多かったのか?即廃止されましたが、
60年初期モデルまで使われていたようです。

恐らくですが、
ボディーの穴あけ加工を省く
効率化を図ったのでは無いでしょうか?

トライアンドエラーで不評なら
すぐ元に戻すフェンダーらしい発想です。

また、ブリッジサドルにも変化がありますが、
55年から、これまでのブラス製から
若干細みのスティール製に変更
され、

更に58年頃から弦ズレ防止を狙ったのか
ネジの様な溝切りがされた
スパイラルサドル形状へ変更
される事になります。

特にサドルの形状による音質変化は、
国内外問わずテレフリークには
大きな議論を呼ぶ話題です。

ピックアップ

リアピックアップの形状が
スタガードタイプと呼ばれるポールピースの高さが
違うタイプに変更され、
マグネットもアルニコ5へと変更されます。

これはフィンガーボードのRに合わせる事で
音量のバラツキを無くす為と言われています。

50年代初期と比較して
ブライトで抜けの良い響きを特徴として
上げられる事が多い
ですが、
この変更が少なからずの影響を与えているのでしょう!

 

↑1957年製のホワイトガード期のテレです。
サーキットのせいもありますが、
太く無骨なサウンドです。

配線

53年に変更されたサーキットが
そのまま採用されています。

具体的には、
3WAYピックアップセレクターに

 

  1. フロントのプリセットトーン(高域カット)
  2. フロント(トーンが効く)
  3. リア(トーンが効く)

 

1ボリューム 1トーン

となっており現代では多用するプレイヤーも
多いフロント&リアは選択出来ませんでした。

シリアルナンバーとロゴ

ロゴに関しては引き続き、
スパロゴが採用
されています。

シリアルナンバーは、
1954年の中期からブリッジプレートに
刻印されていたシリアルナンバーが、
ネックプレートへ刻印される様になります。

また、57年以降のモデルからは、
数字の頭に-(マイナス)を付けた
5桁の数字に変更され
すぐにマイナスが0(ゼロ)に変更されます。

ちなみにシリアルナンバーは、
1954年~1956年製までが10000番以下。
1955年~1956年製までが10000番台。
1957年製までが10000~20000番。
1958年製までが20000~30000番。
1959年製までが30000~40000番。

と言われています。

 

1959年にはテレキャスターのバリエーションモデルとして、
カスタムテレキャスターが発売されます。

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カスタムテレキャスターに関する深堀り記事は以下にまとめていますので、ご興味のある方は以下よりどうぞ!
カスタムテレキャスター、バインディング付きモデルの特徴とは?



1960年代

1966 Fender Telecaster

木材

1959年に発売された
カスタムテレキャスターに採用された

メイプルネック&ローズウッド指板が
通常ラインのテレキャスにも採用されます。

ローズウッド指板は
1958年にヒット商品として
大きく売上を伸ばした

ジャズマスターに採用していた事から、
フェンダーの看板商品である、
テレキャスやストラトにも
取り入れられました。

59~62年中頃まではスラブボードと呼ばれる
ローズウッドが厚いタイプが採用されますが、

それ以降はラウンドボードと呼ばれる、
指板アールにそって指板を貼り付けるタイプに
変更されます。

スラブボード ラウンドボード

現代では独特の音の立ち上がりと
音の太さが評価されている
スラブボードですが、

メイプルとローズと言う特性の違う
材を張り合わせた場合に生じる
ネックの反りや歪みを軽減する目的で
ラウンド張りに変更されました。

この事からリアルヴィンテージで
状態の良いスラヴネックは経年変化にも
耐えた抜いた屈強な材であると
言えるのでは無いでしょうか?

また、メイプル指板の特性である
立ち上がりの鋭いアタック感の需要を
汲み上げる為に、

1966年から貼りメイプル指板ネックが
オプション品として登場し、

全モデルが張り指板タイプの
ネックの採用により、
ウォルナット埋木のスカンクストライプは
この年代では一旦廃止されていますが、

1969年から再度ワンピースメイプルネックが
復活する事になります。

ボディー材としては、
アッシュは引き続き使われていましたが、
カスタムテレと同様の

アルダーボディーのテレキャスターも
レギュラーラインナップにも
採用
される様になります。

また、60年代はフェンダー全般に
カスタムカラーの個体がヴィンテージ市場を
見る限り増え始めているのが分かります。

同様に市場を見ると、
60年代前半の個体は極端に少ない事も
分かると思います。

パーツ

ペグに関しては、
57年以降から導入されたクルーソン製で
「KLUSON DELUXE」の刻印が
裏蓋中央に配置されたタイプが採用されておりますが、

64年辺りから同じメーカーですが、
文字の刻印が「KLUSON」と「DELUXE」を
2つに分けて左右に配置されているタイプに
変更されます。

また、67年以降からはFのマークが
刻印されたシャーラー製のペグ、
いわゆる「Fキー」に変更されます。

ストリングガイドに関しては、
引き続きプレス成型のカモメ型が
この年代でも採用されています。

ピックガードに関しては、
64年にカスタムテレにも採用された
厚手の3プライ8点止めの
ピックガードに統一されるまでは、

厚みの増した1プライの8点止めの
モデルも見られる。

ブリッジサドルに関しては、
1958年頃から採用されたスパイラルサドルが
引き続き採用されますが、

1968年頃からはステンレス製で、
弦を乗せる部分にのみ
深く溝切りがされたタイプへと変更
されます。

Fender Telecaster with Bigsby

また1967年には、
フェンダーFマークの入りの
ビグスビートレモロユニットが
オプション品として登場します!

ビグスビーとフェンダーには
様々な逸話もありますが、
テレキャスのサウンドの要の一つと
言われている、

3連サドルで無くなり、
サウンド的にも別物になってしまい
ビグスビー搭載は邪道と言う意見も
あります。

ただ、絶大なルックス的インパククトと
テレキャスターでアーミングが
可能になると言う演奏面での
アドバンテージ以外でも、

その希少性から、
ヴィンテージ市場でも密かに人気が高い
オプションでもあります。

 

↑1968年製のビグスビー搭載テレです。
トレブリーで気持ちの良いサウンドですね!

ピックアップ

これまで採用されていた、
リアはスタガードポールピースタイプ、
フロントは金属カバータイプの構造が
引き続き採用されています。

1964年にフェンダーは他のギターでも
ブラックボビンと言われるタイプから
グレイボビンと言われるタイプに変更されます。

一般的にはブラックボビンと
比較すると、よりロックなサウンドと
言われます。

また、前オーナーがピックアップ交換を
行っている可能性もあるため、
ヴィンテージギターを選ぶ際には
試奏と共にピックアップのタイプも確認する事を
オススメします。

配線

1953年から引き続き、
ヴィンテージサーキットが採用されていますが、
1967年後期から現代でも採用されている

  1. フロント
  2. フロント&リア
  3. リア

1ボリューム 1トーン

のサーキットが採用される事になります。

シリアルナンバーとロゴ

ロゴに関しては、
1965年から金色に黒縁取りで
スパロゴより太字の「トランジション・ロゴ」
通称「トラロゴ」に変更
され、

1968年以降のモデルには、
黒文字に金の縁取りで、
トラロゴとは逆の配色の「モダンロゴ」に
変更
されます。

シリアルナンバーに関しては、
1963年から頭文字に「L」の
文字が入ります。

1965年にはシリアルナンバーとは別に
ネックプレートにFの文字が刻印されます。

1965年は創設者のレオ・フェンダー氏が
会社をCBSに売ってしまった年、

ちなみに詳しいシリアルナンバーは、
1960年製までは、40000~50000番台。
1961年製までは、50000~70000番台。
1962年製までは、60000~90000番台。
1963年製までは、80000~90000番台。
1963年製までは、90000~L10000番台。
1963年製までは、L10000~L20000番台。
1964年製までは、L20000~L50000番台。
1965年製までは、L50000~L90000番台。
1965年製までは、100000番台。
1966~1967年製までは、100000~200000番台。
1968年製までは、200000番台。
1969~1970年製までは、200000~300000番台。

と言われています。

1970年代以降

1976 Fender Telecaster

木材

ネックに関しては、1969年から復活した
ワンピースメイプルネックと
引き続き採用されている、

ラウンド貼りのローズウッド指板の
メイプルネックが基本スペックです。

ただ、70年代のフェンダーの塗装は
かなり分厚いポリ塗装のギターが多く、
薄いラッカー塗装特有のサラサラした
手触りとは、かなり違ってきます。

また、ワンピースメイプルネックの復活で
スカンクストライプも復活しています。

ボディー材に関しても、
引き続きアッシュ・アルダーが
採用されています。

ただ、70年代のアッシュに関しては、
50年代に多く見られた軽量な
タイプとは違って、

非常に重いアッシュ材が良く
見られる事からホワイトアッシュが
採用されていたと言う意見もあります。

塗装もネック同様に、
分厚いポリ塗装が特徴です。

パーツ

ペグに関しては引き続き、
シャーラー製の「Fキー」タイプが
採用されています。

ストリングリテイナーに関しては、
カモメ型が引き続き採用されていますが、
72年辺りからは3、4弦にも追加された、
ダブルストリングガイドが採用されます。

当時に流行したレギュラーゲージより
更に細いライトゲージでも
音にビビりが出ないようにする為とも
考えられています。

この年代からストリングリテイナーの
パーツの下にプラスチック製の
スペーサーを噛ませ、

高さを調整する事で微妙にテンションの
強さが調整されています。

ピックガードに関しては、
3プライ8点止め仕様が引き続き
採用されていますが、

この年代からは黒の3プライも
見られる様になります。

ブリッジサドルに関しては、
70年代から3連タイプでは無く、
他のモデル同様に、

各弦独立でオクターブピッチが
調整可能な6連タイプが登場します。

ただ、ヴィンテージ市場を見ても
3連サドルの70年代テレも多く
存在する事から、

今でもそうですが、
もしかしたら、6連は人気が
無かったのかも知れないですね!

また、70年代フェンダーの多くは、
ネックプラートが3点止めの
マイクロティルト仕様になります。

ヴァリエーションモデルのテレにも
採用された、この仕様ですが、

レギュラーラインのテレキャスに
関しては頑なに4点止めの
ネックプレートが採用されています。

ピックアップ

リア・フロント共に大きな変更は
ありませんが、

サウンドはヴィンテージテレの中でも
最も鋭くブライトだと言われています。

これは見た目はさほど、
変化は無くても時代に合わせて、
素材やコイルの巻き数を微妙に変更している為と
考えられています。

70年代の重量の重いテレキャスは、
50年代のファットなサウンドとは違った
低音のクッキリしたクリアな傾向の音だと
表現される事が多いですが、

この辺りの様々な影響があると考えるのが、
妥当だと言えるでしょう。

配線

現在で最も多く見る、

  1. フロント
  2. フロント&リア
  3. リア

1ボリューム 1トーン

のサーキットです。

シリアルナンバーとロゴ

ロゴに関しては引き続き、
黒文字に金縁のモダンロゴが
採用されています。

シリアルナンバーに関しては、
引き続きFの刻印が入った
ネックプレートに刻まれていましたが、
1976年からヘッドに記載される事になります。

また、77年からは頭文字に
70年(SEVENTY)の「S」の文字が
付け加えられます。

具体的な数字は、

1969年~1970年製までは、200000~300000番台まで。
1971年~1972年製までは、300000番台まで。
1973年製までは、300000~500000番台まで。
1974年~1975年製までは、400000~500000番台まで
1976年製までは、500000~700000番台まで。

バリエーションモデル

ブルーフラワー&ベイズリーレッド

1968年~1969年の一年間だけ
作られたモデルです。

時代背景的にサンフランシスコから
端を発したヒッピー文化に連なる
サイケデリックブームの
絶頂を想起させる様なデザインです。

非常にインパクトのある
ド派手なルックスですが、
実は塗装によるものでは無く、

壁紙タイプのプリント生地を
ボディーに接着した後にそれぞれの
カラーが吹かれています。

また、生地のデザインを活かす様に
透明のピックガードが採用されていますが、
スケルトンモデルの様に配線は見えない様に
局所的にカラー塗装され全体的に
クリア塗装がされています。

ヴィンテージ市場で見かける、
経年劣化で塗装が割れているモノや、
生地が剥がれているモノもありますが、

生産期間も短かったことから、
流通している本数が非常に少なく
希少価値の高いモデルと言えるでしょう!

オールローズテレキャスター

1969年にテレキャスターの最上位機種と
位置づけられて発売されたモデルです。

ネック・ボディー共に
ローズウッドを使った、まさに最上位モデルに
相応しい贅沢過ぎるスペックです。

そもそも、指板材として良く使われる、
ローズウッドですが、

非常に重いので、
ソリッドボディーで製作すると
トンデモ無い重量になるため、
セミホロウ構造になっています。

当時、人気の絶頂だった
ビートルズのドキュメンタリー映画
「レットイットビー」で、

オールローズテレを演奏する
ジョージ・ハリスンの映像が
大きな話題となった事で、その存在が
全世界でも反響を呼んだモデルです。

ルックス的にもサウンド的にも
まさに異色のテレキャスターです。

テレキャスターシンライン

1968年にはセミホロウボディー構造と
Fホールの斬新なテレキャスターとして、
テレキャスターシンラインがラインナップされます。

 

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テレキャスターシンラインの特徴と魅力!72と69の音の違いのワケとは?

まとめ

以上、少し長くなりましたが、
1950年代~70年代までの
ヴィンテージテレキャスターの特徴を
自分なりにまとめてみました。

もちろん、例外や勘違いしている
情報もあるかも知れませんので、
もっと詳しい情報を知っている方は、
コメント欄かメールで情報頂ければ嬉しいです!

管理人側で分かった新たな情報も
追記していきます。

あなたのテレキャスター選びの
お役に立てれば幸いです。

 

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コメント

  1. 冨永 より:

    いつかは手にしたいUSAテレキャスターですが、年代により指板のアーチには違いがあるのでしょうか。適度にアーチがあったほうが弾きやすいと思っているので質問させていただきました。

    • 指一ギター より:

      富永さん、コメントありがとうございます。
      管理人の知る限りでは、ヴィンテージではRが
      キツめの7.25Rが一般的だと思います。

      USAの現行品であれば、購入前にスペックを確認してみる事を
      オススメします。

      最近のモデルはヴィンテージっぽさを追求しつつも
      演奏性を高める為に指板はフラット気味だったり
      指板アールがハイポジとローポジで変化するコンパウンド・ラディアスの
      モデルも出てきています。