どうも指1ギター、管理人です。
今回はギブソン・SGの種類とモデル毎の
スペックやサウンド傾向の違いをまとめてみようと思います。
主にSGスタンダード・カスタム・スペシャル・ジュニアを中心に
現行モデルやヴィンテージの年代毎の仕様の移り変わりについても考察していきます。
ではでは、行ってみましょう!
1961年から製造されたレスポールSG含める、
ヴィンテージのオリジナル・SGスタンダードの年代毎の
徹底比較した記事は以下にまとめています。
⇒ギブソン・SGスタンダードの年代別の特徴と音の違いはコレ!
お目当てのモデルの詳細が知りたい方は以下の目次よりどうぞ!
SGスタンダード
SGスタンダードの名前の通り、
基準となる機種です。
スタンダードのスペックを基本に、
他のモデルとの違いを検証していきますね!
SGスタンダード
2018年の現行品のスペックをまとめると、
ボディ材 | マホガニー |
ネック材 | マホガニー&ローズウッド指板 |
ネック形状 | スリムテーパー |
スケール | 628mm(ミディアムスケール) |
ナット幅 | 43mm(1.695インチ) |
フレット | ミディアム(クライオ処理) |
フレット数 | 22フレット |
ポジションマーク | 台形のディッシュタイプ(アクリル素材) |
ナット | テクトイド樹脂(グラファイト) |
ラディアス | 305R |
ピックガード | スモールガード(4プライ) |
ペグ | Grover Locking Kidneys |
ブリッジ | チューンオーマティック & ストップバーテイルピース(アルミ素材) |
金属パーツ | クロームメッキ |
ピックアップ | 61R&61T |
コントロール系統 | 3Wayトグルスイッチ 2ボリューム・2トーン |
このモデルはSGが製造された初年度1961年であり、
レスポール・スタンダードの後継機種として開発製造された、
レスポールSG期のモデルのリイシューと考えて間違い無いでしょう。
目を引くルックス的な大きな特徴としては、
若干ワイドなラージヘッドと呼ばれるヘッド形状で、
そこに入れられたクラウンインレイと呼ばれる
王冠マークの白蝶貝のインレイ、
また、レスポール・スタンダードと同様に、
ネックに巻きつけられたバインディングですが、
ボディーにはありません。
代わりにボディーにはSG特有のベベルドコンターと
呼ばれる抱え心地の良い木工加工が施されています。
ギブソン伝統のアーチトップ加工は無く、
フラットトップの若干フェンダーライクな
ボディー形状となっています。
また、ネック形状も演奏性の高い薄めの
スリムテーパーネックが採用されています。
実際の1961年製の仕様としては、
サイドウェイ・トレモロという独特なレトロ感のある
トレモロユニットを搭載していましたが、
現行モデルでは、殆どが実用性が高い、
チューン・オー・マティック&ストップバーテイルピースの
組み合わせのブリッジが採用されています。
また、ペグに関してもヴィンテージ仕様に拘らず
スパーゼルやシャーラの様なタイプのロック式ペグ
「Locking Kidneys」が装備されていて、
実用的かつモダンなスペックも盛り込まれています。
また、2018年の特徴としては、
この61年辺りのヴィンテージ「PAF」のサウンドの再現を狙った
「61R」と「61T」のピックアップが搭載されているのが
大きな特徴です。
ちなみに2017年のSGスタンダードはギブソンの代表機種である
「57クラシック」が搭載されています。
年代毎に細かいスペックの違いはある様ですが、
過去に生産されていた61 Reissueとしての大きな特徴としては、
- ラージヘッド
- スモール・ピックガード
と言えるでしょう。
ただ、2016のSGスタンダードTに関しては、
ラージガード仕様となっています。
ヴィンテージテイストを残しつつも実用性を重視した
オールマイティーに使える仕様となっているSGスタンダードの名に恥じない、
中核的モデルと言えるでしょう!
カラーリングも、
王道なヘリテイジチェリーと言うダークチェリーに近いカラー
オータムシェイドと呼ばれるタバコサンバーストの様な茶色のカラー
シックな黒のエボニーカラーの3つがラインナップされています。
また、Gibson USAより上位に位置する
カスタムショップやヒストリックシリーズの
SGスタンダードは、
更にハイスペックな
1ピース・マホガニーを贅沢に使った
ボディーとネックや、
ギブソン社がヴィンテージ「PAF」を
徹底研究した非売品ピックアップである
カスタムバッカーが搭載されていたり、
チューンオーマティックブリッジが、
ナッシュビルタイプでは無くARB-1タイプが
選択されていたり、
60年代のギブソンのネックの握りを忠実に
再現した60sスリムテーパープロファイルネックを
筆頭にヴィンテージの素材や形状をUSA製よりも更に
追求した拘りの仕様になっている様です。
SG スタンダード2018 HP
次世代のSGを目指したSGスタンダード2018HPの
HPはハイパフォーマンスの略との事ですが、
従来のSGシェイプを保ちながらも
サウンド・演奏性の両方の面から今の時代に
即した数々の斬新なアイデアが盛り込まれたモデルです。
通常の61リイシューモデルとの目を引く違いは、
ボディートップに採用されたゴージャスなルックスの
AAフィギュアドメイプル材です。
ピックガードとエスカッション無しでボディトップの美しさが
映える仕様の上、ハードウェアはボリュームノブ・トラスロッドカバー含め
クロームで統一され近未来的で非常にモダンなルックスと言えるでしょう!
また、ボディ厚が増した分、
SGの悩みの種になる事もあるヘッド落ちが
ボディバランスの改善で解消しているそうです。
更に特筆すべきは、
何と六角レンチで高さが調節可能なチタン製のナットです。
このナットは開放弦と押弦した音の落差を無くすために
0フレットの導入された「ゼロフレット・ アジャスタブル ・ナット」という
システムが採用されています。
ちなみにギブソン社は現在、特許出願中との事で開発には
かなり気合が入ってそうな印象ですね。
ちなみにブリッジサドルもチタン製な事から
クリアで抜けの良いサウンドを目指しているのかな?と
管理人は感じました。
他にも、自動チューニングシステム「G-Force」、
ピックアップの固定にはボディバックからのダイレクトマウントという
他社には、あまり見かけない仕様となっています。
ネックの幅がスタンダートと比較すると
約44.32mm(1.745インチ)と幅広なソロイスト仕様ながら
スリムテーパープロファイルが採用されています。
また、ファストアクセス・ヒールと言う
独自のヒールカット加工とSGの
ダブル・カッタウェイ・シェイプの恩恵でハイポジションでの
快適な弾き心地が担保された上での
24フレット仕様と言う超絶テクニカル系のギタリストにも
非常に嬉しいスペックとなっています。
電気系統ではフロントに57クラシック、
リアに若干ホットなスーパー57クラシックが搭載され
3Wayトグルスイッチと2トーン・2ボリュームと一見、
何の変哲も無い見た目ですが、
ポットのプッシュ/プル・スイッチと
バックパネル内部に納められたDIPスイッチの操作と組み合わせる事で
コイルタップしたシングルコイルサウンド以外にもフェイズ切り替えがコントロール可能で、
様々なサウンドを得ることが可能になっている様です。
また、内部スイッチではハイパスフィルターの
オン/オフも選択可能と、至れりつくせりの回路となっています。
カラーリングに関しても鮮やかなオレンジやレッド、
渋めのブルーやピンクと目を引くルックスも大きな特徴の一つと
言えるでしょう!
また、最新モデルのHP-Ⅱに関しては木材の枯渇からか
リッチライト指板の採用とオートチューニングシステムを排した
コストパフォーマンスの高いモデルとなっている様です。
SG フェイデッド
SGスタンダードの廉価版の位置付けの
SG フェイデッドはSG スタンダードから
ネックバインディングや、
ディッシュタイプのポジションマークを排しドットタイプへ
クラウンインレイなどの豪華な装飾を省いた
ハイコストパフォーマンスモデルです。
見た目的にはシンプルになっていますが、
サウンド面や実用性に影響を及ぼす
アルミ製のブリッジやヴィンテージなルックスの
クルーソンタイプのペグなど、
必要な部分のパーツは、しっかりと拘っている様です。
また、ネックは一見マホガニーの様な色に見えますが、
メイプルネックが採用されているのも
大きな違いと言えるでしょう。
メイプルネックの採用で一般的には、
マホネックのSGよりは立ち上がりの良い
元気なトーンと評価を受ける事も多々あるようです。
他にも、このモデル特有の
つや消しの所謂「フェイデッド」塗装は、
コスト削減にも繋がりますが、
使い込まれたギターの様な独特の質感や見た目、
グロス塗装と比較して塗膜が薄くなる事による鳴りの良さから、
あえて選ばれる事もあるギターと言えるでしょう。
ルックス面で言えばアンガス・ヤングなど
ロックギタリストが持つ印象の強い
ラージガードなのも大きな特徴ですね!
ピックアップはギブソンのデフォルトとして
知られる490R、490Tが選択されています。
SGスタンダード 2018との違いをまとめると、
- メイプル&ローズウッド指板
- クラウンインレイ無し
- ネックバインディング無し
- ドットポジションマーク
- ラージピックガード
- 490R & 490T ピックアップ
- フェイデッド塗装
となっています。
管理人的には中古などで手に入れて、
色々と改造してみたいギターですね(笑)
中級者が2本目として、
ちょっと良いギター欲しい!となった時にも
良い選択肢になりそうなモデルだと思います!
SGカスタム
レスポールカスタムの後継機種として、
SGとしてもスタンダードの上位モデルとしての
位置付けで1961年に発売されたモデルです。
レスポールカスタムの年代毎のスペックの違いが
気になる方は以下の記事よりどうぞ!
⇒ギブソン・レスポール・カスタムの年代別の音の違いと特徴とは?
ヴィンテージSGカスタム
まずは現行品では無く、
ヴィンテージのSGスタンダードとスペックの違う部分のみ
以下に比較してみますね。
スタンダード | カスタム | |
指板 | ローズウッド | エボニー |
ヘッド・インレイ | クラウン・インレイ | スプリット・ダイヤモンド・インレイ |
ヘッド・バインディング | 無し | マルティプル・バインディング |
ポジション・マーク | デッシュ型 | ラージ・ブロック型 |
ピックアップ | 2ハムバッカー | 3ハムバッカー |
ハードウェア | ニッケル or クローム | ゴールド |
上位機種としてのSGの大きな特徴は、
レスポールカスタムの1957年仕様の3ハムバッカー仕様と
言えるでしょう!
レスポール・カスタムが復活した1968年からは
2ハムバッカー仕様に変更されますが、
SGカスタムに関しては3ハム仕様を頑なに貫いています。
ギブソン社でも特に高級ギターにしか採用されてない
エボニー指板や
見た目にゴージャスなゴールドパーツを含む、
豪華な装飾などもレスポールカスタム同様の仕様ですが、
発売当初のカラーリングに関して、
レスポールカスタムは「ブラックビューティー」と
呼ばれる漆黒のカラーリングだったのに対して、
SGカスタムはホワイトがチョイスされています。
1961年~1963年 SGレスポールカスタム期
ここからはSGカスタムの年代毎の微妙な
仕様の変化を解説していきます!
1961年に製造が終了したレスポール・カスタムの後継機種として
SGシェイプながら「レスポール・カスタム」の名称を受け継ぎ、
巷ではSG・レスポール・カスタム期として呼ばれる事もあるようです。
この時期は製品モデル名が指板と
フロントピックアップの隙間に位置する、
ネックエンドカバーに「Les Paul CUSTOM」の刻印がされていて、
トラスロッドカバーは無記載となっています。
ヴィンテージのSGはスタンダード同様に
トレモロ・ユニットが標準的に搭載されていますが、
この年代は操作性に難ありと言われる
サイドウェイ・トレモロが採用されています。
細かい仕様ですが、ペグはグローバー・102G、
トラスロッドカバーに白黒2プライのワイドベベルタイプと
なっています。
また、フレットに関しても
レスポール・カスタム同様に非常に低い
「フレットレス・ワンダー」が打たれているので、
特にチョーキングを多用するロック・プレイヤーには
弾きにくいと言われ、コレクターでは無いプレイヤーには
フレットを打ち替えて使われる事が多い様です。
1964年~1965年 SGカスタム期
1964年以降は、レスポールの生みの親であるレスポール氏との
契約の関係でモデル名から「Les Paul」が廃止され、
モデル名が正式に「SGカスタム」へと変更になり
ネックエンドカバーの刻印も「CUSTOM」の文字となります。
また、トレモロ・ユニットがロング・ヴァイブローラと呼ばれる
タイプへと変更されました。
サイドウェイ・トレモロのレトロなルックスは、
未だに一部では人気はある様ですが、
音を揺らすコントロールの難しさやチューニングの
安定の無さからの変更と思われます。
ブリッジ以降のボディーを覆う
ロング・ヴァイブローラのカバープレートに
「Gibson」と共に竪琴を象った「ライル」と呼ばれる
刻印とスモールガードが、この年代のルックス的な
大きな特徴です。
他にはペグが、この年代から
通称「ワッフル・バック」と呼ばれる
金属製のキーストーン・ノブを持つクルーソン・501VXに
変更されます。
1966年~1971年 ラージピックガード期
大型のピックガードへと仕様変更される事になります。
このピックガードはSGシェイプのツノの部分を
若干、なぞるような形状をしていて
「バッド・ウイング・ピックガード」と
呼ばれる事もありますが、
実は見た目だけでは無く、
ピックアップがエスカッションでは無く、
ピックガードから吊り下げる、
ストラトキャスターの様なマウント方式に
変更された事から音的にも変化が
あったと言われている様です。
また、細かい変更ですが、
モデル名の「CUSTOM」の刻印は、
ラージガードの導入と共に廃止された
ネックエンドカバーの位置から、
トラスロッドカバーへと移動される事になります。
他にも1960年後半には白で統一されていた
カラーリングにウォルナットと呼ばれる
茶色系とレスポール・カスタムと同様の
塗り潰しの黒も混在しだします。
指板のエボニーとマッチングした、
黒のカラーリングですが、ブラックビューティーとは
違いラージガードがアクセントとなり、
違った印象になりますね!
1970年代のSGカスタム
1971年からSGシリーズの大幅な見直しから大きく
スペックが変更される事になります。
というのも、この年代はギブソン社がノーリン社傘下の
経営体制に入った事によるものです。
最も大きな変化は2フレット分ほど
フィンガーボードがボディーに食い込む
ネックジョイント形状になります。
この事からフロントピックアップとネックエンドの
隙間がなくなります。
変更点として、
ピックガードがレスポール・スタンダードと似た形状に、
ピックアップにギブソンの刻印、
セミサーキュラー・コントロールプレートによる
コントロール系統の統合によりルックス的にも
大きく印象が変わりますが1972年には、
ネックの仕込み以外は60年代のスペックに回帰し、
スモール・ガードとなりますが、
トラスロッドの刻印は「CUSTOM」から「SG」になります。
また、ヴィンテージ市場を見ると
バラつきがあるようですが、60年代後半からヘッド裏側に
ボリュートがある個体が見られる様になり、
ブリッジに関してはワイド・トラベラー・ブリッジ又は
チューン・オー・マティックとストップ・バー・テイルピースの
ノントレモロ仕様が多く見られる様ですが、
トレモロ・ユニットはビグスビーが搭載されたモデルが
散見される様です。
その後、1980年初期には一旦、生産完了となります。
現行SGカスタム(ギブソン・カスタムショップ)
2018年の現行モデルとしてのSGカスタムは、
上位機種としてギブソンUSAのレギュラーラインには無く、
カスタムショップラインでの製造のみとなっている様です。
仕様に関しても、これまでの3PUのモデルとは異なり、
2PUの仕様となっています。
また、60年代初期~中期にかけての
ホワイトフィニッシュでは無黒のラッカー塗装である
エボニー・フィニッシュカラーと
黒が基調のピックガードとゴールド・パーツによる
レスポール・カスタムの「ブラックビューティー」を
思わせるルックスとなっています。
ピックアップ構成以外の違いとしては、
- 指板がリッチライト
- コーリアンナット(人工大理石)
- ミディアムジャンボフレット
- チューンオーマティック&ストップバーテイルピース
- ピックアップが490R & 498T
となっています。
ヴィンテージのSGカスタムと言うよりは、
カスタムの装飾を持ったSGスタンダードと考えた方が
違いかも知れないですね!
また、USA製やカスタムショップ製の
90年代や2000年代の3PU仕様のリイシューも中古市場を探せば
見つからない事も無いですが非常にレアだと言えるでしょう!
SGS3 2015
2015年の限定モデルとして販売された、
SGS3はSGカスタムに、かなり近いモデルと
言えるでしょう。
非常に特徴的なのはレトロなルックスが人気の
サイドウェイ・トレモロが搭載されています。
伝統的なSGカスタムとの違いは、
- クラウンインレイ
- ポジションマークがディッシュ型
- 3ボリューム、1トーン仕様
ピックアップに関しては、
57クラシックがフロントとミドルに
若干、出力がアップした57クラシックプラスが
搭載されています。
基本的なスペックは61年のSGカスタムに
準じていますが、ネックの装飾は
スタンダードと同様になり、カラーリングも
黒のエボニーフィニッシュのみとなっているのも
大きな特徴でしょう!
SG Deluxe
3PU仕様も継承しつつ現代的な要素も
盛り込まれた「SGデラックス」も
SGカスタムの系譜と言えるでしょう。
マホバックにAAグレードの虎杢がラミネイトされた
ボディトップが非常に美しいモデルで、
操作性の高いミディアム・ジャンボの24フレットと
現代音楽にもマッチした仕様となっています。
更にポジションマークには
スプリット・ダイヤモンド・インレイと言う
ゴージャスなルックスを持ちながらも、
ブリッジにはチューン・オー・マティックと
レトロな見た目のビグスビーが搭載されていて
良い意味でもギャップが印象的なモデルです。
他にも、2ボリューム・2トーンと
3Wayトグルスイッチという伝統的な仕様を持ちながらも
トグルスイッチのノブの部分にポットが
仕込まれている様でセンターピックアップのボリュームポットと
なっていて他のピックアップを選択中でも
ブレンダーの様にセンターのサウンドを混ぜる事ができると言う
斬新なアイデアも盛り込まれています。
スタンダードHPにも通じる、
ギブソン社の現代の技術力とアイデアを
盛り込んだSGカスタムの進化系モデルと言えるのでは
無いでしょうか?
カラーリングもコバルトフェード、ライムバースト、
オレンジバースト、レッドフェードとビビットな
4色から選択可能です。
SG Supra
ボディトップにAAAグレード、バックには
AAグレードの虎杢メイプルボディーと言うド派手なルックスを持つ
「SG スープラ」ですが、見た目以上に凄いのが、
3PUのコントロール系で前述のデラックス同様の操作性を持ちつつ
更にブリッジに搭載されたフィッシュマン製の
ピエゾ・ピックアップの搭載でアコースティック風味のサウンドまで
出力を可能にした非常に多機能なモデルです。
基本的には前述のSGデラックスと違い仕様ですが、
ヘッドに多重積層バインディング
リッチライト指板
ポジションマークはスプリット・ブロック・インレイ
チューン・オー・マティック&ストップ・バー・テイルピース
となっています。
カラーリングは黄色味の強いアンティーク・ナチュラルと
シースルーブラックから選択可能な様です。
この機種は最も多機能なSGシェイプのギターと言う
位置付けだと思います。
SGジュニア
ここからはレスポール・スタンダードの
スチューデントモデルとして発売されたレスポールジュニアの
後継機種である、SGジュニアについて解説していきます。
シンプルな構成ながらストレートなロックサウンドが
人気のモデルの年代毎の変化と現行モデルの情報が知りたい方は
以下より読み進めて下さいね!
ヴィンテージSGジュニア
SGシェイプのレスポールジュニアとして、
所謂「レスポールSGジュニア」が発表されます。
通常のレスポールSGジュニアはチェリー・レッドカラーが
採用されていますが、黄色味のクリーム色に近い
TVカラーのモデルも「SG-TV」として発売されています。
基本的にはレスポールジュニアに準じた仕様と
なっていますが、SGスタンダードとの違いを具体的に
あげると、
- 「Gibson」ロゴがシルクスクリーン印刷
- 単板のトラスロッドカバー
- クルーソン3連ペグ
- ネックバインディング無し
- ドット・ポジションマーク
- コンビネーション・ブリッジ
- リア一発のピックアップレイアウト
- ドッグイヤーカバータイプのP-90ピックアップ搭載
- 1ボリューム・1トーン・ピックアップセレクター無し
SGジュニアに関してもレスポールと同様に、
装飾性を排したシンプルな構造と、
1961年~1963年のレスポールSGジュニア期のみ
ヘッドに「Les Paul JUNIOR」と
シルクスクリーン印刷されていますが、
1963年以降からモデル名が正式にSGジュニアへと
変更されるとヘッドの表記が無くなります。
ちなみにイエローカラーながら同スペックの
「SG-TV」に関してはヘッドの表記は元々「Gibson」の
ロゴのみとなっています。
また、ブリッジに関しては発売当初、
テイルピースとブリッジが一体化したシンプルな構造の
ブリッジが標準装備でしたが、
マエストロ製ヴァイブローラーがオプションで選択可能で、
1960年代中頃からはショートヴァイブローラが
標準装備となった様です。
ちなみに、この頃のSGジュニアのブリッジ部は、
若干ですがオクターブピッチがズレないように設計された、
通称「ライトニングバーブリッジ」と呼ばれる
「TPBR-8513」が搭載されています。
1966年以降は、ラージガードと呼ばれる
大型のピックガードに変更され
ピックガードマウント方式に変更されます。
シンプルな構造と潔いP-90一発の
ピックアップ構成はストレートで無骨な
ロックサウンドが魅力と評されることが多いモデルですね!
その後、1971年頃のSGシリーズの生産体制見直しでジュニアは生産中止となりました。
現行SGジュニア
現行品のSGジュニアは、
大筋でヴィンテージを狙ったリイシューモデルだと
言えるでしょう。
ヴィンテージとの大きな違いは
ヘッドの「Gibson」のロゴが筆記体の様な
ヒストリック・スクリプトと言う書体が採用された点、
他にも細かい違いとしては、
ナットが現行のギブソンUSAのレギュラーラインの
モデルに良く装備されているテクトイド素材であったり、
ペグはヴィンテージスタイルのホワイトボタンながら
低コストでメンテナス製の低い3連ペグは
採用していない点など、現代的な仕様を取り入れてもいる様です。
カラーリングがチェリーレッドに近い
ヴィンテージ・チェリーのみですが
TVモデルの様な鮮やかなカラーリングも発売して
欲しい所ですね!
SGスペシャル
レスポールスペシャル同様にジュニアの
上位機種として位置付けはSGジュニアとスペシャルの場合でも
同様な様ですが、
年代毎のスペックの変化を見てみると
微妙に違いがある様です。
ヴィンテージ・SGスペシャルの年代別の違いや
現行モデルについて知りたい方は以下よりどうぞ!
ヴィンテージSGスペシャル
SGスペシャルはレスポールスペシャルと同様に、
基本的には、ジュニアにフロントピックアップを追加し
フロントのボリュームとトーンを追加したモデルです。
ただ、ジュニアの上位機種として、
若干の高級感を持たせたかったのか?バインディング有りの
ネックとヘッド部に入った白蝶貝の「Gibson」のインレイが
採用されています。
また、SGスタンダードとの違いを大まかに
まとめると、
- ヘッド幅が若干スリム
- ヘッドのクラウンマークが無し
- クルーソン3連ペグ
- ドットポジションマーク
- リア・フロント共にP-90ピックアップ搭載
- コンビネーション・ブリッジ
トレモロ・ユニットに関しては、
SGジュニアと同様にマエストロ製の
ヴァイブローラが発売当初からオプションとして扱われていて、
1965年からは「TPBR-813」とショート・ヴァイブローラの
コンビネーションがレギュラーラインで搭載される事になります。
1966年以降のモデルからピックガードが
大型のラージガードへの変更に伴いピックアップが
ピックガードから吊り下げられる様になります。
1971~1972年 SG プロ時代
その後、1971~1972年の短い期間ですが、
ギブソン社による経営体制の変化からSGシリーズの
生産体制の見直し方針を受け、
SGスペシャルは「SG プロ」と言うモデル名へと変更され、
スペック的には、
- ネックが2フレット分ほどボディーに食い込む
- レスポールスタンダードタイプのピックガード
- セミサーキュラー・コントロールプレートの採用
- ピックアップをエスカッションマウント
- ビグスビー・トレモロユニット搭載
と言う独特な仕様になりますが、
1973年にはSG プロは生産中止となり、これまでのSG スペシャルが
復活再生産されることになります。
1970年代のSGスペシャル
ただ、再生産されたSGスペシャルは、
これまでのP-90では無くミニ・ハムバッカーピックアップが
リア・フロント共に採用される事になります。
ルックス的には60年代初期の雰囲気を持つ
スモールガードが採用されますが、
ネックの仕込みはSGプロ同様のネックがボディーに
食い込んだ形状を継続しています。
ポジション・マークに関しても、
これまでのドットだったのが
スモール・ブロック・インレイのモデルが73年頃から
混在しだします。
また、70年代のSGスペシャルはチューン・オー・マティック又は
ワイドトラベラーブリッジとストップテイルピースの
固定タイプのブリッジの個体が多くなりますが、
トレモロ・ユニットはビグスビーが搭載され
たモデルがヴィンテージ市場でも散見される様です。
ちなみに、この流れはSGスタンダードが一時期、
SGデラックスとして生産され、また復活した流れと
同様となります。
カラーリングとしては、
ヴィンテージマニアには人気の高いアニリンダイを使った
チェリー・レッドを中心に
SG-TVと同様の黄色味の強いライムドマホガニー、
ホワイト、経年変化すると緑っぽくなる
ペルハムブルーや、茶色のウォルナットカラーが
用意されていた様です。
現行SGスペシャル
2018年の現行モデルのSGスペシャルは、
70年代モデルに近いミニハムを
リアとフロントに搭載したモデルです。
ネックはバインディング無しで塗装に関しても
サテン・フィニッシュとローコストな方向性ながら、
ヘッドにはシルクスクリーン印刷のクラウン・ロゴ、
スモール・ブロック・インレイのポジションマークなど
ルックスの面でのコダワリと企業努力が垣間見れますね。
ヴィンテージとの大きな違いとしては、
24フレット仕様となっていて、フロントピックアップの
ギリギリの位置まで指板がせり出しています。
SGスタンダードの現行品とも、
ヴィンテージとも違った現行モデルとして進化した
モデルと言えるでしょう!
↑2017年モデルだと2ハムバッカー仕様となっています。
↑2016年モデルだとニミハムながら22フレット仕様となっています。
↑の2016年モデルのGibson 2016 SG Special Fadedだと2ハムながら
22フレット仕様でSGスタンダードの装飾を減らしたモデルとも
言えなくもない仕様になっています。
上記を違いを見るだけでも、
SGスペシャルの現行品に関しては、様々な試行錯誤が
まだまだ行われているのかも知れませんね!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
SGと一言で言っても実に様々な
仕様のモデルがあることが
お分かり頂けたかと思います。
管理人的にはギブソンのギターとしては、
演奏性も高く、薄く鳴りやすいボディーは
フェンダー系のサウンドを彷彿とさせる
珍しい機種だと感じています。
特にP-90やニミハムが搭載された
スペシャルの軽快なサウンドは個人的に
とても高評価です。
この記事があなたのギター選びの
何か参考になれば幸いです!!!
ではでは、また会いましょう!
SGスタンダードの年代別の特徴や
音の違いが気になる人は以下の記事からどうぞ!
⇒ギブソン・SGスタンダードの年代別の特徴と音の違いはコレ!
ギブソン・レスポールの年代別の違いが
知りたい方は以下よりどうぞ!
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